2011年12月30日金曜日

悪魔の証明

悪魔はいるのか?いないのか?

一般的にいえば、「存在が証明されていないものはいない」といえます。ですから、「悪魔はいない」といえます。

しかし、存在が証明されていないからといって、それが存在しないことの証明にはならない、ということもいえます。(技術や学問の途上にある場合、存在は認められるが証明できないことは多々あります。)

そこで、「もしいないのであればいないということを証明すべきである」という論法も成り立ちます。
しかし、いないものをいないと証明することは、ほとんど不可能です。
例えば、いないのではなく、まだ見つかっていないだけなのでは?と反論されたら、それを反証することは不可能です。

その不可能性をもって、「悪魔の証明」と呼んでいます。


追記

また「あなたは悪魔か?」というような「そうでないことを証明する」際、その立証性の不可能さを示し、“悪魔の証明”と使われることもあります。

悪魔でないのに、悪魔でないことを証明することは不可能です。つまり、上記同様に、「~でない」ということを証明することの不可能さを総じて、悪魔の証明といいます。

2011年12月29日木曜日

収集動画の用語メモ

IND…Indication
適応・適応する部位

PP…Patient Position
患者(被施術者、受ける方)の状態

伏臥位→うつ伏せ寝 仰臥位→仰向け寝 側臥位→横向き寝 座位→座った状態

DP…Doctor's Position
施術者(施術を行う方)の状態や立ち位置

同位側→施術をほどこす筋肉などと同じ側 反対側→施術をほどこす筋肉などと逆の側 
後方→後ろ 前方→前

CH…Contact Hand
施術を行う施術者の部位。拇指、手指、手掌、肘など
上方→Pと対峙した時のPに対する頭の方、よって、頭方(とうほう)ともいう
下方→Pと対峙した時のPに対する足の方、よって、足方(そくほう)ともいう


2011年12月20日火曜日

楽しんご整体と霊感系占いの不都合な共通点

楽しんご さん

最近はそれほど見られなくなりましたが、一時期は毎日のようにテレビをにぎわわせていましたね。

テレビで垣間見た限りでは、彼(彼女?)の施術はうまいと思います。
とくに指づかいは、なかなかまねできないレベルの高さがあるように感じられました。

しかし、45分で21000円…の料金は…
一般的な感覚ではお高いですね~。

まぁ、あの人の場合はタレントとして多忙ですし、彼自身は広告塔としてメディアに出る方がむしろ本業で、整体院の経営はスタッフメインなのでしょう。

高額なのに予約もとれない→それほど楽しんご整体はいい、とお客さまに思わせるプラスのスパイラルにもなっているので、下手に5000円くらいでやるよりも彼の場合はよいのでしょう。

しかも、彼のお客さまは、8~9割が女性という点でも、彼の料金設定は正解でしょう。


なぜか?


女性って自分の失敗談って、なかなか、(というより、絶対!)他人に話さないですよね。
話の中で、自分を悪くいじられるのを、嫌がる人も多い気がします。

男の場合ですと「この前行ったキャバクラは、ほんとひどかった。しかもボッタくりだよ、2万もボッタくられた」
という感じの自虐ネタって結構多いです。
しかし、女性から、そういう自虐ネタって、聞かれないですよね。女性のお笑い芸人くらいでしょうか?



占いの起業マニュアルに、こんな感じなのがあります。

料金は高くしなさい、高ければ高い方がよいです

なぜでしょうか?

占いのメイン顧客は女性です。
ですから、当然女性に合わせた営業戦略ということになります。

その戦略とは

1 高い料金で当たりそうな気にさせる
2 もし占いが当たったら、よろこんで周りに宣伝してくれる
3 もし占いが当たらなかったとしても、周りにはいわない


女性のみなさまはどう思われますか?思わずうなづいちゃいました?

3の要素って、女性特有なんですよね。
女性の場合、「ねぇ、ちょっと聞いてよ。あのインチキ占い師、2万円も払ったのに、ぜんぜん当たらないのよ!」と周りの友達には言わないのです。

ですが、「ねぇ、ちょっと聞いてよ。占いやったんだけど、バッチリ当たったんで驚いちゃった。 まぁ、ちょっと高かったけど 」というような話はするでしょう。

つまり、占い師にとって、よい宣伝はしてくれる、悪い宣伝はしない、そうであるならばなるべく高い料金設定にせよ、という理屈になるのです。
(※占いは、当たるも八卦、当たらぬも八卦)

そして、そのような高額系の占いで多いのは、霊感系の占いということになり、霊感系のものは、よいものは宣伝され、悪いものは宣伝されないという傾向で延々と生きながらえているのです。


楽しんご整体と料金の高い霊感系の占いには

1 高いということはよいはずだと思わせ
2 よかったら宣伝してもらえ
3 よくなくても黙っていてもらえる


という共通点があるのです。


※当ブログは、占いや霊感系占い、及び楽しんご整体を否定するところのものではありません。


関連記事  楽しんご整体と霊感系占いの不都合な共通点
        治る整体と当たる占い
        整体師は占い師?

『腰痛は「たった1つの動き」で治る!』   吉田始史



腰痛は「たった1つの動き」で治る! 

って、ここまで断言しちゃう本もなかなか珍しいのでは。




著者は デイサービス がまの穂 を主催し、武道家でもある吉田始史氏。(デイサービスを“主催”っていうのがよくわからないのですが、細かいことは気にせず進みましょう)


ネタばれ(?)になりそうですが、著者の過去の著作物をみると


『仙骨姿勢講座』『3分仙骨リズムストレッチ』『腰まくらダイエット』などがあります。
ということは…「たった1つの動き」のその1つとは、もしや



すべての不調は「仙骨締め」で解消できる!」(P51)
~あぁやっぱりね感は否めません…でも、こっちだと「治る!」じゃなくて「解消できる!」になってますね。「!」は変わらずですけど。


「私の理論は、武道においても腰痛の予防改善にしても、「何かをして答えを導き出す」のではなく、「はじめに答え(結果)ありき」なのです。ひらめきで実行。効果があると「何故?」と、その原因を解剖学的、生理学的に研究して答えを出す。ですからあまり間違いがないのです。」(P2)
~…。
はじめに答えありきの理論を究めるというのは、失敗の連続だと思うのですが。例えばエジソンの電球発明のように。
間違いがないのは、検証不足か、そもそも持論に都合の悪い情報は取り入れていないのかと思われます。

どうなのでしょう?

はじめに答えありきのやり方って、非常にあやういと思うのですよね。
「中国で蝶が舞うとアメリカでハリケーンが起こる」という相関関係を表す慣用句があります。


「アメリカのハリケーンは、中国の蝶のせいだ」とはじめから答えありきで始めたらどうなるでしょう。
都合のよい相関関係ばかりを集め、因果関係の検証をしなくなるかもしれません。

これって近代以前の検証方法です。


「評判の高い名医でも治せなかった腰痛が、素人の自分に治せるなんて信じられない。そう思うかもしれませんが、本書で紹介する方法は、短時間でできて費用はゼロ、これは私自身が経験したことですから絶対の自信があります。」(P20)
~施術者の方にけっこう多いのですが、


「何をしても治らなかった」→「でも、この施術方法(先生)に出会って治った」→「だから、この施術方法(先生)であなたも治る」


という図式です。


「わたしも治ったのだから、あなたも治るよ」と言っているわけです…。

成功法の類は、こんなのばかりといえば、こんなのばかりですけどね。

2011年12月19日月曜日

『テレビじゃ言えない健康話のウソ』  中原英臣


医学博士である中原英臣氏による 本のタイトル通りの本です。



「野菜をたくさん食べると大腸がんの予防になる」
ことは間違いないが、

その理由は「緑黄色野菜や果物に含まれる抗酸化酵素の働きが大腸がんを抑制する」のであって、テレビで言われているように

「野菜には食物繊維が多いため、大腸がスムースに働き、便秘が解消するから」というのは間違いだそうです。(P14)
~抗酸化酵素なんて言葉、言いづらくてテレビ受けしなさそうですもんね。


「言っておきますが、「健康法」などというものは一切ないと思ってください」(P15)
~と、なかなか手厳しいですが、健康的な生活を送ることが結果的に健康につながるのであって、健康になるための健康法はないという趣旨のようです。
つまりわかりやすくいうと、健康とはbeであり、doではないということですね。(え?余計わかりにくいって)



医学的根拠のあるのは、たった六項目」(P18)
~日本には健康診断・人間ドック・婦人科の検査・脳ドックなどさまざまな検診検査があります。
しかし、著者はそのほとんどの検査に意味はないと断言しています。


有効な検査・診断は6つで、
「血圧」「身長・体重」「飲酒」「喫煙」「うつ病」「糖負荷試験」だそうです。


「厚生労働省の「最近の科学的知見に基づいた保健事業に係る研究班」が、健康診断の代表的な二四の検査項目のうち何と一六項目は、『病気の予防や死者の減少という視点では、有効性を示す根拠が薄い』と結論づけたのです。」(P20)  ~検査や診断にかんして難しいところは、個人の利益と集団の利益が必ずしも合致しないところにあります。
1万分の1の確率でガンが見つかる検査を、日本人全員にする必要はあるか?
ガン検査でガンを見つけられた1万分の1の、その「1」が自分や自分の身内、知り合いならば検査を喜ぶでしょう。
しかし、残りの9999人には無駄な検査だったということになります。もちろん当然そこには膨大な費用がかかります。
 ~日本人は安心したいがために検査をしている側面があることにも警鐘を鳴らしています。
本来検査は悪いところを見つけるためのものであり、安心のためではないはずです。



健康な人を病気にする方法」(P36)
~少しセンセーショナルなタイトルですが、これは現実にある“問題”です。
しかも、検査好きな日本人だからこそミスリードされてしまうのです。
健康な人を病気にするにはどうしたらよいか?
それは数字を操作すればよいのです。少し前にメタボの数値って決まりましたよね、覚えていますか?

「1 ウェストが男性は「八五センチ以上」、女性は「九〇センチ以上」ある
2 血圧が「一三〇/八五mmHg」 
3 空腹時血糖が「一一〇mg/dl」以上ある
4 中性脂肪が 「一五〇mg/dl」以上か、あるいはHDLコレステロール(善玉コレステロール)  が「四〇mg/dl」未満である」(P48)

~というものです。

この世界的にも厳しい数値のおかげで、40歳以上の男性の2人に1人はメタボと診断され、予備軍を加えればさらにその数は激増します。

なぜ世界的にも厳しい基準にする必要があるのか?


そもそも男性のウェストが女性よりも細くあるべきという基準になっているということは、誰が考えてもこれはおかしいでしょう。


なぜこんな不可思議な数値になるかといえば、もちろん40歳以上の男性がターゲットになっているからです。つまり、この人たちをどうしても「病気に 」したいのです。
この健康な人を病気にするというのは最近始まった傾向ではありません。、一番身近なアレもそうなんですよ。


「「三九〇〇万人の日本人が高血圧、そんなバカな」
四十年前に一五〇/一〇〇だった血圧の正常値が、いまでは 一四〇/九〇 に。」(P36)

~医療をビジネスとして考えたとき、どうすればうまく儲けられるか?みなさまはこんなこと考えたことはないですよね?
でも世の中にはそんなことを考えている人がいるんです。
医療をビジネスとして考えるとき、病人を相手にするのはあまり効率がよいとはいえません。(なんかおかしな言い方ですが)
本当の(?)病気ですと容体も安定しませんし、病人の確保という点でも不安定です。
ではどうすればよいか?


少し不健康な人に、病人になってもらうのです。
少し不健康な人ならば、少しくらいからだにダメージを与えたところで、死ぬことはまずありません。
少しくらいのダメージ、つまり少し不健康な人に無駄な投薬をするのです。

しかし、元が少し不健康なだけですから、からだへの影響はごく微小です。

そんなバカな」と思われるかもしれませんが、それが今日の血圧事情です。
日本で一番使われている薬剤は血圧降下剤です。

いまや血圧の薬を飲んでいない年配の方はいらっしゃらないのではないでしょうか?

血圧の正常値を下げることで、高血圧と診断される人が激増し、その分、薬も大量に消費されることになりました。

もちろんその分、余分な医療費も増えています。


今、医療問題といえば、なにかと「医者不足」という言がまかり通っています。


例えは悪いですが、ネズミが増えたから猫を増やそう、という発想はおかしですよね?
やるべきことは「ネズミを減らすこと」。その一環として猫云々はあるかもしれません。でも、根本的にネズミを減らさなければ問題の解決にはなりません。
医療ならば、医療現場が大変だから「医者を増やす」ではなく、その前に根本的に「患者を減らす」ことが、問題解決の大前提になるのではないのでしょうか。





> 『こんな健康法はおやめなさい』 中原英臣

完璧な治療法のトリック

整体の学校やセミナーのうたい文句に

○○が治るテクニック

みたいな講義やセミナーって珍しくありません。

とくにカイロプラクティックなどの骨格矯正系のものですと余計に使われやすいのかと思います。

なぜなら、治すためには適切(完璧)な施術が必要だからです。

と、まぁ、言葉にすると至極当たり前なのですが、これって本当に都合がいい文言なんですよね、もちろん主催者側に。

例えば腰痛を治すと称するテクニックだとすると

もし、腰痛が治れば→「ほら、治ったでしょ?やはりこのテクニックはすばらしい」
もし、腰痛が治らなければ→「テクニックに間違いはない。腰痛が治らないのは正しく施術できていないから(つまりテクニックではなく、施術者の技術のせい)」

というような言い方がまかりとおってしまうのです。

まぁ、学校の先生やセミナーの講師が、100%腰痛を治せるのであれば、その理屈どおりなのでしょうけど、果たして現実はどうなのでしょう??

2011年12月18日日曜日

医療や介護をビジネスということの 愚

「これからの成長分野として、自然エネルギーや農業、医療・介護があげられ、それらをビジネスとして…云々」という報道(というより物言い)が聞かれます。

わたしは医療や介護をビジネスとしてとらえるのは反対ですね。

もちろん、人が動いている以上、その活動にお金が必要なのはわかります。
しかし、人の健康や生死をビジネスと考えることに、ものすごく違和感を感じます。倫理的にも道義的にも腑に落ちないです。
そして、なによりビジネスというのは、巧みな者が儲けている仕組みだと思うので反対するのです。


介護施設を例にとってみます。
介護施設においてお客さんはお年寄りです。(正確には顧客は、お年寄りの家族や国かもしれませんが)

まず、お年寄りを施設に収容できるだけ集めます。
施設において、経費として一番かかるのは、職員の人件費です。

そのため人件費のかからない仕組みを作ります。

どうするかといえば、入所したお年寄りをベッドに縛り付けておくのです。
食事の手間をかけないために、お年寄りには胃ろうの処置をとります。


こうして、お年寄りに手はかからず、死なないように最低限の世話をうまくできるシステムを作ります。
これで効率的な介護ビジネスの出来上がりです。
ビジネスとは効率よく利益をあげることです。


お年寄りに、そんなひどいことをする施設なんて、現実にはありえないだろ!?
と思われた方もいるかもしれません。


でも残念なことに、これは、実際にあった事例なのです。


医療にしても介護にしても、それをビジネスをとして明確に位置づけてしまえば、事業者が利用者に過剰なサービス(つまり必要のない医療や介護)や事業者にとって都合のよい(利益の生みやすい)サービスを提供するという懸念が生じます。


「医療や介護をビジネスとして考える」と簡単に言ってしまえるのは、ビジネスの本質に疎い人か、「人間はみな善なるものである」という考えの善人か、残るはそこに利権が生まれる関係者としか、わたしには思えません。
医療などはもはやビジネス化している面もあります。
ですから、それを加速させるような物言いには反対ですね。

ぎっくり腰の対処法


ぎっきり腰とは、急性腰痛症のことで、突然なにかの拍子に、腰が急激に痛くなることです。
物を持ち上げようとしたり、くしゃみをしたり、顔を洗おうと少しかがんでだけでもなることがあります。


「正式な病名は「腰椎ねんざ」。
画像上で骨や椎間板、関節などの運動器に異常が見られないのに、突然、激しい腰の痛みが起こった場合、整形外科では急性腰痛症または腰椎ねんざと診断される」(P36)
※ 専門医に聞く 腰痛 より引用

西洋では俗に “魔女の一刺し” と呼ばれています。


対処法としては、初めの2・3日は安静にし、患部(痛いところやその周辺)に手を当てて熱をもっているようなら、氷嚢やアイスパックで冷やすのがよいでしょう。
コールドスプレーも場合によっては効果があります。



寝ていて楽な体勢ならば、どのような体勢でも構いません。
仰向けの場合は、膝の下にクッションや丸めた座布団をおくと、より楽になることが多いです。

安静期(2・3日)を過ぎ、動けるようになったら動ける範囲で活動するのが、腰痛を慢性化させないために有効とされています。

3日以上、ひどい痛みが続いたり、痛みが激しくなるようならば、最寄りの医療機関をお訪ねください。

だいたい2~3週間で完治することが多いようです。


> ぎっくり腰の対処法 2

2011年12月17日土曜日

ヘルニア(椎間板ヘルニア)

ヘルニアというのは、もともと「はみ出る」とか「とび出る」という意味です。

一般的に腰痛でヘルニアといっているのは、椎間板(骨と骨の間にあるクッションのようなもの)がはみ出している状態のことです。

そのはみ出した椎間板が、神経を圧迫しているために、腰部に痛みがあったり、足にしびれを生じさせていると考えられています。


写真は 脳神経外科講座 さまよりお借りしています。


不可知論 (アグノウスト)

不可知論( agnosticism )とは、宗教や思想の立ち位置(スタンス)です。

「神様はいるか?いないか?」という問いかけのとき、
「いる」ならば「有神論」。

「いない」ならば「無神論」。
「いるかいないかわからない」ならば「不可知論」というスタンスになります。


日本人の場合、海外で宗教(religion)を尋ねられた際、浅い信仰なのに仏教徒(Buddhist)と簡単に答えると、突っ込んだ話をされて、困ることになるかもしれません。


かといって、とくに信仰がないからと無神論(atheist)と答えてしまうと、ちょっと怪訝な顔をされるかもしれません。
無神論は日本人が気軽に使っている以上に、海外では強い意味合いがあるので注意が必要です。(※海外では信仰がない人は異常者くらいに見られかねない)
というわけで、とくに信仰がなければ不可知論(agnost)と答えておくのが無難だそうです。(※立花隆の話を聞き覚え)


わたしも今のところ、思想・哲学・宗教において不可知論的スタンスです。
そして、整体にかんしても同様です。


つまり、「整体で病気は治るのか?」という問いに対しては、「治る」でもなく「治らない」でもなく「わからない」というスタンスになります。

わからないというスタンスはズルいかもしれません。しかし、わからないからこそ、論理的な考えで整体を追求し、みなさまが納得できるサービスを提供したいという考えです。

2011年12月16日金曜日

左右の足の長さはそろうのか?

足の長さが違います!」と言うのは、整体師の(商売上の)常とう句です。


そもそも「本当に足の長さはそろうのか?」という疑問

みなさまも感じられたことはあるでしょう。

一言でいえば、左右の足の長さ

「そろいます」

それも、おもしろいように  「そろいます」


わたしはこの仕事に就く前、整体の学校(現 国際カイロ医学院 ※現在リンクなし。やってないのかな?)に約1年半通いました。
そこの学校で週に2日、整体や疾病にかんする座学と実技を勉強しました。

初めの3ヶ月は、基礎のコースで、筋肉をほぐすテクニックばかりの練習でした。


4か月目から、矯正(整体)のコースになります。

矯正のコースは毎回、骨盤矯正をする前に、練習台の人の左右の足の長さをはかります。

(※ただし、足の長さを比べるのは骨盤の動きを確かめる検査の補足であくまで目安という位置づけです)

だいたいの人は、左足が0.5~1センチ右足よりも短いです。

そして、バスンと矯正をします。それからまた、練習台の人の左右の足の長さを比べてみると

これがきれいに ピッタリとそろっている んですよね、毎回

初めは感動にも似た驚きを覚えました。

また、整体に底知れぬ可能性を感じさえしました。
でも、それも束の間でした。
カンの良い方ならおわかりでしょうか?



1 わたしは整体の学校で、週に2回1年半勉強しました。

2 もちろん、週に2回、矯正(整体)の練習をしました。

3 練習台の人(わたしも含め)の足の長さを比べると、足の長さは違っていました

4 矯正をすると、毎回、足の長さはそろいました

5  「よかった、足の長さがそろった。お疲れさまでした~また来週」という具合で
翌週になり、再び矯正の練習のため足の長さをはかります。
「どうやら、左足の方が短いな」→バスンと矯正→4  4からそして、5へ…

というような無限ループへ巻き込まれてしまうのです!


つまり、一時的に足の長さはそろえられますが、ずっとそろったままの状態でいることは無理なのではないかと思われます。(※もちろん他の整体術のことはわかりませんが)

まぁ、左右の足の長さ云々(+「骨盤がゆがんでますね~」)は、整体師の営業トークの一環だと思ってもらってけっこうだと思われます。


ですからわたしは、左右の足の長さを気にしている人に
 「気にしなくて大丈夫ですよ~」と言っているのです。

左右の足の長さが違う

「以前整体をやったら、左右の足の長さが違うっていわれたんですけど、大丈夫でしょうか?…」
と不安そうに聞かれるお客さまって、男女を問わず、いまだにたくさんいらっしゃいます。

そんなお客さまに、わたしは一言


気にしなくて大丈夫ですよ~」と簡単に言ってしまいます。


もちろん、そんな風に答えてしまうアホな(?)整体師はごく稀でしょう。だって、そんなことしたら、次の予約につながらないですもん。
(※儲け主義の整体院についてはこちら 
儲かる整体院のつくり方 

でも、ウソはつけない性質なので…(本当、他の整体師のみなさまの営業妨害のようなブログですみません
)。


現実問題、小学校や中学校においてある骨格標本みたいに、きっちりと左右対称の人間なんて、(ほとんど)いないでしょう。
少なくとも、今まで一度もお目にかかったことはありません。

人間には利き腕・利き足があるので、どうしても左右非対称にならざるをえません。右と左をまったく同じように使うことは不可能です。

また、そもそも、最重要な臓器である心臓は1つしかありません。そのため肺などの臓器は左右非対称になっています。
それを考えれば、体というものは、全体的に左右非対称であるほうが自然とも言えます。しかし同時に、不自然な左右非対称性というものはあるのかもしれません。

つまり、論理的に考えれば、人間はみな左右が非対称であり、足の長さも左右違うということです。

ということは、整体とは無縁の人、ようするに肩こり・腰痛のない人も、左右の足の長さは違うと思われます。(※検証していないのでわかりませんが)

したがいまして、これは 因果関係と相関関係 の問題になります。
肩こり・腰痛がある人が左右の足の長さが違うからといって、それが肩こり・腰痛の原因になっているとは必ずしもいえないということです。

ですから、わたしは
 「気にしなくて大丈夫ですよ~」と言っているのです。


それでは左右の足の長さはそろわないのでしょうか?
といえば、きちんとそろいます。

左右の足の長さがそろわないのに、こんなに堂々と整体で「足の長さそろえます!!」とは言えないですからね。

もちろん、そこにはカラクリがあるのです。


> 左右の足の長さはそろうのか?

> 左右の足の長さが違う 2

2011年12月15日木曜日

整体で腰痛は治るのか?

言葉遊びのようになってしまうのですが、整体をして腰痛が治る」ことは、よくあると思います。

ただし、「整体が腰痛を治している」かどうかはわかりません。


ヘルニアの7割は半年後に治る で述べているように、そもそも、ほとんどの腰痛は自然治癒するからです。
ですから、「整体が腰痛を治している」と考えるよりも、自然治癒の流れにうまく乗っかっていると考える方が論理的です。


しかしながら、自然治癒しない腰痛もあります。その場合、その腰痛を整体が治していることがないかといえば、それはないともいえません。(もちろん確率的には数%程度でしょうが)

また、NHK あさいち ぎっくり腰 2 で述べたように、腰痛は、ストレスからくるものがほとんどです。
そのため、気持ちの良い施術など、ストレス除去に効果的な施術であったならば、「整体が腰痛を治した」といえなくないでしょう。

整体術による機能的な回復、つまり骨盤のゆがみや椎骨(ついこつ)のズレなどを解消して、「腰痛が治る」ということはまずないと考えられます。

もしそのようなことで腰痛が治るのであれば、これほど多くの人が腰痛に苦しまずにすんでいるでしょう。


構造的な問題を解決して機能が回復する、いわば機械のメンテナンスのようなことで腰痛が治るのならば、もう腰痛はこの世から消えていなければ論理的におかしいと思われます。

もしそれがそうであるならば、もうそれはそうではない


整体で腰痛は治るのか?

わたしなりの結論としては…

・整体が「治している」かどうかはわからないが、腰痛は「治る」ことが多い
・でも、それは整体をすることによって、というよりも自然治癒によって治っていると言う方がふさわしい


といったところでしょうか。

もちろん、整体が腰痛を治していない、ということは実証できていないので、「整体で腰痛は治る」ということを全否定できないことはわかっております。( 悪魔の証明 )