2013年7月31日水曜日

1時間 2980円のカラクリ



いや~1時間2980円のマッサージって、本当に増えましたね。
※正確に言うと、通常は税抜き価格です。税込だと、3129円3218円です。
※※正確に言うと、正規のマッサージではなく、 脱法マッサージ です。

自分はやる方の立場として、1時間2980円だと、体力的にキツイかなぁって、正直なところ感じてしまいます。

ちょっと前に りらく大泉店 の求人のブログを書きました。
そこに載っていたのがこちら

> <月商例>40万円 (2000円×8名×25日稼働)

まぁ、机上の計算ではそうでしょうけど…(決して空論とは言いません)。
1日に8名=8時間以上の実動で25日(※待機時間はのぞく)なんて、相当キツイと思いますよ。
いや、半年や1年なら出来ます。でも、それを5年10年続けるのは、かなり体力的にキツイと思われます。

もっとも、なでているだけの「さすり系のマッサージ」ならば、1日に10人くらいは余裕でしょう。
でも、この手のお店に来る人は「もっと強く!」系の人が多いでしょうし、弱い=下手と思っている人もいるので、なかなか「さすり系」の施術は好まれません。

ですから、ほどほどの料金で本格的な「ほぐし」を受けられるという、1時間6000円というのは妥当な値段だと、自分では思っております。
そのため、自分ではこんな店では出来ないなぁ~というのが、素直な感想です。

そして、そこがカラクリなんですよね。

今までのマッサージ店やマッサージのようなお店は、オーナーも一緒に働いているところがほとんどでした。ですから、自然、自分(=オーナー)がやっても納得できる仕組みの上で成り立っていました。

しかし、昨今急速に進出している「1時間2980円のマッサージ店」は、これはオーナーと店長(店舗責任者)が別のところが多いようです。
FC(フランチャイズ)展開がほとんどなので、オーナーは現場で働いても、働かなくてもどっちでもかまわない仕組みになっているのです。

社長自らが働かなくてもいいのは、どの業界でも言えることで、それが「マッサージ業界」にも現れ始めたということです。
いわば、自営業者のお店から資本家の持ち店舗に変わったというところです。

こうなると、自分が現場で働かないので、最大限利益のみを追求できます。悪くいえば、利益を優先し、従業員を使い捨てるブラック的な仕組みになります。

まぁ、ブラックというか資本主義経済の常で、資本家は最大限、労働者を酷使するのが資本主義経済の根幹にあります。


機が熟したというのも、大きいでしょう。

わたしがこの業界に入ったのが、2000年の初めで、その頃は従業員を集めるにも四苦八苦しておりました。
求人募集をして、きちんと研修して、それなりに育ててから現場に出しました。

しかし、今は整体の学校も増え、当たり前の計算ですが、その分、整体などを勉強した人も増えています。
ですから「整体師募集」「経験者募集」の求人広告を出しても、それなりに人が集まるのです。

ここが大きな違いですね。経験者が集まるのならば、そのようなお店の仕組みに替えた方が良いに決まっています。
そこに目をつけたのが「1時間2980円」のお店です。その先駆の方は、実にやり手ですね。

ただし、それがお客さまや働き手にとって、善いのか悪いのかは…さて、どうでしょうか?f^_^;


> 1時間 2980円のカラクリ 2

※画像は、 アクアキャッスルの宝箱 より