2013年7月29日月曜日

整体師は占い師? 6 治るも整体、治らぬも整体



占いに関する言葉に“当たるも八卦、当たらぬも八卦”という言葉があります。

実はわたしも占いにハマっていたことがありまして、将来は占い師にでもなろうかなと漠然と考えていた時期もありました。

それは、占いの基本に「当たるも八卦、当たらぬも八卦」というものが基礎的なものとしてあることが前提での話です。
占いを通しての、カウンセリングのような感じを考えていたのです。

占いもある程度のテクニックを使えば、当たることも当たっているように思われることも、案外簡単です。
しかも、相談相手は初めから悩みを抱えている人なので、その悩みを聞き、その人の深層心理をうまく掴めれば、あまり難しいことではありません。

結構、人って問題を抱えていると同時に、答えも持っていることが多いのです。
いわゆる「わかってはいるんだけどね」という状態です。
ですから、角度を変えて答えを言いなおし、その人の背中をポンと押してあげれば、カウンセリング占いは簡単に完成します。

はっきり言って、当たった占いはあるかもしれませんが、当たる占いといのはありませんし、“当たるも八卦、当たらぬも八卦”という認識が、占う方にも占ってもらう方にもないと危険な戯言に堕してしまいます。

ここで話を本題にうつします。

わたしが整体の勉強をやり始めた時は、整体でこれが治る、あれが治ると直接的に言われることは、今ほど多くなかったような気がします。

基本の理念として、「自然治癒力」というものがあります。人間だけでなく、動物などの生き物が持った自然に治そう・治ろうという力です。いわば「生きる力」とでもいいましょうか、そういった根本的な能力が動物には備わっています。

本来、整体の理論は、その自然治癒力を高めたり、元に戻すことで、治りをよくするというものがベースにあると、わたしは考えています。

そこで行うのが、体を自然の状態に戻すこと、体のズレや歪みを取り除くこと=整体 ということになります。
結果、それで治りがよくなったり、早くなったりということを促すのが、整体というものです。
ですから、整体をやれば「肩こりが治る」「腰痛が治る」と言いきってしまうのは、少し傲慢な気がするのです。

わたしが勉強し始めた頃の整体というものは、もっと謙虚だった気がするんですよね。
「整体というのは、自然治癒力を高める行為ですよ。直接、病気を治しているわけではないんですよ」という謙虚さがあった気がするのです。

つまり、“治るも整体、治らぬも整体”というくらいの感じだったのですが。
今は、右を見ても左を見ても自己主張の強い声の大きな整体ばかり…やはり謙虚なのはダメな時代なのでしょうね。


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