整体やマッサージ業界を語る時、ものすごく説明しづらい理由の1つに、言葉の交通整理ができていないということがあげられます。
そもそも見た目だけで、それが「マッサージ」なのか、「整体」なのか、「カイロプラクティック」なのか、はたまた別の何かなのか…というのは、判別できません。
やっているその人が「これは〇〇です」というのが、正解になります。
ただ、この場合もその人がわかりやすく、「まぁ、マッサージみたいなものですね」と濁して言ってしまうと、「マッサージみたいなもの」→「マッサージ」というように、聞き手が誤った解釈をする可能性は極めて高いです。
ですから、手技療法を言葉で定義すること自体、無理があると言えば無理があるのですが、一応、暫定的なものを勝手に考えてみましたf^_^;
※あくまで自論の域を出ていませんので、参考程度に読み流してください。
まず、大きな括り(くくり)として、サービスの提供者が自分の体、主に手を使って何かを行うものがあります。整体やマッサージ、接骨院などでの施術ですね。
これは「手技療法」とか、「施術」とか言われています。ただ、「療法」や「施術」というのは、医療的な意味合いが出てしまうので、単に「手技業界」とした方がいいと思いますね。
手技業界
手技業界と対向するものは、整形外科での診療・治療といったところでしょうか。
あまり厳密に考え始めると話が進まなくなるので、あくまでイメージ的にです。
手技業界の筆頭が、接骨院・整骨院での治療をする柔道整復術、マッサージ師のマッサージ術、指圧師の指圧術といったところでしょうか。これらは保険が効く分野で、国家資格もあるので、その行為を「治療」と呼んでもかまいません。
※鍼・灸は道具を使うので、省きました。
ということで、
手技業界 柔道整復術科
手技業界 マッサージ術科
手技業界 指圧術科
手技業界 あんま術科
これだと、まだわかりづらいので、国資目(こくしもく)と国家資格持ちですよ、と入れておきますか。
※「目(もく)」に深い意味はありません。生物を表すときに使われているので、便宜上借りているだけです。
手技業界 国資目 柔道整復術科
手技業界 国資目 マッサージ術科
手技業界 国資目 指圧術科
なかなか、すっきりしました。
そして、国資目に対向するのが、いわゆる“無”国家資格の手技ですね。
これは整体やカイロプラクティックだけでなく、街中の「なんちゃってマッサージ」が当てはまります。
この街中の「マッサージのようなもの」を定義する言葉がないので、ほんとうに説明しずらいのです。
国家資格に対して、無資格なので、「無資格目」としておきましょう。ただ、厳密に無資格かと言えばおそらく違います。ここでは、国家資格がないという意味で使っています。
いきなり、整体とマッサージのようなものを分けてしまうと、かえってわかりづらくなると思うので、その前に「もみほ科」を置きましょう。
「もみほ」とは、わたしの造語で、「もみほぐす」から取っています。
だいたい、こちらの「無資格目」は施術内容を、「手もみ」とか「ほぐし」とか「もみほぐし」とか言っているので、ちょうどいい表現かなと思います。
また、明らかに整体とは違う「マッサージのようなもの」の呼び方が難しいのですが、ここはわかりやすく「脱法マッサージ」としておきましょう。
というわけで
手技業界 無資格目 もみほ科 脱法マッサージ属
手技業界 無資格目 もみほ科 整体属
手技業界 無資格目 カイロプラクティック科
手技業界 無資格目 タイマッサージ科 などなど
と、まぁ、こんな感じになると思います。
カイロプラクティックは、今では首に特化しているところとかもあるので、もっと細かく分類できそうです。なにせ、カイロは学術的に系統立っているので、分類はしやすいです。
手技業界 無資格目 カイロプラクティック科 カイロプラクティック(ディバーシファイド)属
手技業界 無資格目 カイロプラクティック科 STO属
手技業界 無資格目 カイロプラクティック科 アクティベーター属
手技業界 無資格目 カイロプラクティック科 オステオパシー属
頸椎から治療を試みる「オステオパシー」はカイロではないという主張もあります。その辺の細かい事情は、一般の人はどうでもよいでしょうから、カイロ科に入れておきます。
こうやって書いていくと、だいぶまとまりが出てきましたね。
ただ、接骨院で整体をしたり、指圧師の先生がカイロプラクティックの治療をしていたりと、わけのわからないこともあります。
ですから、総論として、「あの(先生の)施術はこれ」とは、なりませんのでお気をつけください。
上の2例を分類すると以下のようになります。
手技業界 国資目 柔道整復術科 整体属
手技業界 国資目 指圧術科 カイロプラクティック属
う~ん、なるほど、書き出すとなかなかおもしろいですね。
手技業界 国資目 柔道整復術科 整体属
手技業界 国資目 指圧術科 カイロプラクティック属
と
手技業界 無資格目 もみほ科 整体属
手技業界 無資格目 カイロプラクティック科 カイロプラクティック属
は、見た目は非常に似ています。ただし、「目(もく)」の違いにより、同じ施術法だとしても、上の2つは完全に合法(ホワイト)であり、下の2つはグレーです。
また、同じ施術を「治療」といったとき、上の2つは合法であり、下の2つはブラック、つまり違法行為となります。
それはひとえに「目(もく)」の違いによります。
※国資目…医療系の国家資格がある→治療行為ができる→合法
無資格目…医療系の国家資格がない→治療行為ができない→違法
最後に、1つ 「手技業界 無資格目 もみほ科 脱法マッサージ属」 について。
街中にある「マッサージ(のような)店」。その店に「マッサージ」とか「治療院」とかあれば、それは 手技業界 国資目 マッサージ術科 のお店です。
看板にもメニュー表にも、「マッサージ」と書かれていない場合は、ほぼ間違いなく
手技業界 無資格目 もみほ科 脱法マッサージ属
です。
ただ、これも中で正規の国資持ちのマッサージ師の人が混じっていたりするので、あくまで参考程度にしかなりません。
どの分野もそうですけど、総論と各論がありますので、はっきりと説明するというのは、なかなか難しいですね(;^_^A