2013年7月31日水曜日

そもそも9割は自然に治癒する

9割本…「これで腰痛は9割治る」とか、「9割の痛みはこれで消える」とかいう類の本


『腰痛の9割は「腸をゆったりさする」と治る』 中山建三
『9割の腰痛は自分で治せる』  坂戸孝志
『足首を回すだけで9割の痛みは治る!』 岩間良充
『腰痛は「たった1つの動き」で治る!』 吉田始史
『腰痛は「ねじれ」を治せば消える』 花山水清
『腰痛は99%完治する』  酒井慎太郎
『たった5分間で9割の腰痛がよくなる本 ~AKA-博田法で、腰痛が消えた! 』 片田重彦


9割本は、なぜ9割であり、10割ではないのか?
ここに都合のよいトリックがあるんですよね。

まず、その症状、例えば腰痛を ほうっておいたらどうなるのか 、ということを知る必要があります。

たいがい、整形外科医に行き、レントゲンを撮ってもらい、「骨には異状がないですね」という先生のお言葉と湿布薬をいただくのが定番でしょうか。
そして、その後は?

お金に余裕があったり、痛みをなんとかしたい人は、整体や他の施術院などに通うかもしれません。
でも、圧倒的大多数の人は、湿布を貼って終わりでしょう。
それはなぜか?

痛みはしばらくすると(※およそ2週間くらいで)引いてくるので、自然と腰痛を意識しなくなり、自然と治っているからです。
これが「自然治癒」という、人間が本来、持っている力です。

データとしてどれくらいの人が自然に治癒するのか、逆に言えば自然に治癒しない腰痛なのか、といえば、ちょっとわかりません。
わたしなりの感覚として、ちょうど9割、少なく見積もっても8割の腰痛は自然に治癒すると考えております。
※参照 ヘルニアの7割は半年後に治る

ヘルニアの7割が半年後に治っているということなので、腰痛全般を考えると、8割は自然に治癒するというのは、妥当な数字だと思います。
※本当は「9割」としたいところですが(;^_^A

仮にわたしの自論である「8割の腰痛が自然に治癒する」ということが証明されれば、「9割本」の正体は、実は「これで1割の腰痛は治る」というのと同じことになります。
これは見えない数字を用いたトリックのようなものです。

先日、テレビでおもしろいバイアス実験をしていました。詳しい内容は忘れてしまいましたが、「これを食べた人の9割は翌日死んでいる」というような過激なものでした。

それほどおそろしいものなどは食べるべきではない、というようなバイアスをかけているのです。
それでは「これ」とは一体何かというと…実は、「お米」です。

米は日本人の主食ですから、亡くなった人のほぼ9割が食べていたというだけのトリックにすぎないのです。

これは、腰痛などの自然治癒するものと、極めて構造が似ています。
つまり、ほとんどの人が自然治癒するのに、別の何かが潜んでいるように思わせるトリックが、「9割本」にはあるのです。

とはいうものの、9割治っていないという証明もできないので、あくまで話半分にお読みくださいm(__)m