2012年1月31日火曜日

ドクターショッピング


1 患者が十分な医療を受け、最良の成果を得たにもかかわらず、より良い成果を求め、次々と医療機関を変える。
2 患者に疾患の性質を理解する能力がなく、インフォームド・コンセントや検査・治療が十分に行われないまま、医療機関を変える。
3 患者が薬物依存状態にあり、限度上限の薬物を入手すると、違う医療機関を受診する。
4 診察・検査では、診断を下すことが難しい疾患のため、さまざまな診療科を受診する。
5 診断結果が芳しくなく、患者自身にとって都合の良い診断を下す医師が現れるまで新たな医療機関を受診する。

※ウィキペディア ドクターショッピング


<ドクターショッピングとは>
主婦がより安いものを買い求めてあちこちのスーパーマーケットなどを回るように、患者さんがよりよい医療を求めていろいろな医療機関を訪ね歩くことを「ドクターショッピング」と言う。

たとえばA医院にかかった人が、そこでの診察には満足できず、次にB医院を受診し、同じ症状を訴える。
さらにそれでも満足せず、C医院を受診し、そこでもまた同じ症状を訴える。
こうしてあちこちの医療機関を受診し、どこへいっても満足しないまま終わる。
青い鳥を探し回ったチルチルとミチルのようなものである。

主婦がより安いものをもとめてあちこちのお店をさがすことは合理的なことであるが、患者さんのドクターショッピングにははっきりいって、利点はひとつもない。

よほどひどい病院は別として、ふつうの病院であれば、だいたいやっていることはどこも大して変わらない。
病気を診断し、治療する、という医療行為は普遍的であり、世界中どこをさがしても「青い鳥」病院は存在しないのである。

ドクターショッピングとセカンドオピニオンの違い より転載

『すすんでダマされる人たち』  ダミアン・トンプソン












すすんでダマされる人たち ネットに潜むカウンターナレッジの危険な罠
2008年第1刷発行。
ダミアン・トンプソン。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで社会学の博士号。
ライターであり、テレビ批評家。



もしもアメリカ人の40%が、ダーウィンの進化論を否定し、神による創造論を肯定しているとしたら、みなさまはどう思われますか?

わたしの第一感は 「そんなバカな!?」 でした。
いくら、キリスト教徒のお国柄とはいえ、そんなナンセンスなことはないだろうというのが正直な感想です。

でも、そんなナンセンスも、国や年代が違えば違ってくるのが、デマ(ここでいうカウンターナレッジ)というものです。

そしてまた、それらのデマは意図的に作られていることもあるので、本当のナレッジ(知識・智恵)を身につける必要性があるということを、本書では説いております。


「当然ながら、他人を騙していると自覚している鉄面皮な嘘つきもいる。だが、こういったタイプの嘘つきは比較的被害が少ない。それ以上に危険なのは、頭から信じ込んでいる人、あるいは、自分が多少なりとも信じている説を売り込むために知的な策を弄する人々だ。」(P23)
~われわれ代替医療の現場にも、上記のような人たちはいます。というか、そんな人たちだらけです。

「あなたが聖霊の存在を信じているとしても、それが間違いだとは誰にも証明できない。つまり、つまりデマではない。あなたが聖霊にがんを治してもらったと主張したら、それも実証できないことだ。…(中略)…しかし、あなたが聖霊から授けられた力で医療に頼らず他人のがんを治せると主張すれば、それは検証して間違いだと証明できる。だからといって、あなたを嘘つきと称するのは当たらない。危険なデマを広めただけだ。」(P36)

「隠れたつながりという信念は、啓蒙運動以前には一般的で、近代以前における方法論の根底に必ずあった。つまり、まずなにを信じたいかを決めてからその証拠を探し、当てはまらないものはかたっぱしから退ける。これと対照的に、近代以降の理論は組織的な反駁に耐えられない限りなんの価値も認められない。」(P82)
~代替医療って本当に“近代以前”が多いです。
例えばこの方の本もそうでした。→ 『腰痛は「たった1つの動き」で治る!』 吉田始史


結局のところ、代替医療に携わるひとりとして、わたしがみなさまに言いたいのは、

「代替医療は利用するものであって、利用されてはいけない」

ということです。

2012年1月30日月曜日

治る整体と当たる占い

みなさまは、占いとかやります?

ちょっと(?)前は、血液型占い、なんてのが流行りましたよね~

わたしはその前の、細木数子の“六占星術”に、一時期完全にはまってました。

細木さんの 六占星術 は、もともと 四柱推命 の焼き直しで、四柱推命は、古くからある占いのひとつです。

風水なんていうのもそうですけど、古くから続いているものって、時代の荒波にもまれて、それでも生き残っているわけですから、それなりに信用度は高いのかと思われます。

なぜか?

風水とか占いとかは、ある程度、統計的なものがあるんだと思うんですよね。
手相とか顔相とか、なぜかはわからないけど、統計的に判断すると、そういうふうになっている、というのが。

例えば、お金持ちになりやすい手相だとか、病気になりやすい顔相だとか。
そういうのって、長い年月の集計があるでしょうから、統計として表れるのかと思います。

それは、われわれの分野でいうと、ツボでしょう。

「なぜ、ここ(例えば胃ゆ)を押すと、胃にいいのか?」

そんなことは、誰にもわかりません。

「胃によいとされているから、胃によい」としか答えようがありません。

「ここのツボは、ここの改善につながる」というのは、結果的に(統計的に)そういう人が多いということで、そうなっているのです。

東洋医学って、基本的にはそのような具合なのではないでしょうか?

論理的(西洋医学的)には説明できないけれど、過去からの蓄積、つまり統計的に効果がある、というのが東洋医学のベースにあるという気がします。

ですから、整体なども、こうすればよくなる、という絶対的なものは(おそらく)ありません。
こうしたらよくなった、ということを集めて、統計的によくなった施術をするというのが、せいぜいのところなのだと、わたし自身は感じております。


関連記事  楽しんご整体と霊感系占いの不都合な共通点
        治る整体と当たる占い
        整体師は占い師?

2012年1月28日土曜日

肩こり解消は 「四足歩行」?

『50歳を超えても 30代に見える 生き方』 に載っていた、肩こり解消法です。

以下、要約です。

「肩こりの原因は、肩を使わな過ぎることにあります。
人類の祖先が、四足歩行していた時、上半身を支えていたのが、肩甲骨とその周囲の筋肉です。

体重の半分を支えていたわけですけら、この周囲には大きな筋肉がたくさんついています。
人類が進化し、二足歩行になった後も、わたしたちの祖先は、肩甲骨周囲の筋肉を使い、畑を耕したり、薪を割っていました。

つまり、昔の人のように、上半身(肩甲骨周りの筋肉)をしっかり使って生活すれば、肩こりにはならないのです。

現代人はデスクワークばかりで、上半身を使わなくなったため、古い血液がたまり、肩こりが生じているのです。」
以上、要約終わり。

だから、畑を耕し、薪を割って、肩こりを防ぎましょう!
なんなら、四足歩行に戻りましょう!!


というわけにはいきませんので…
著者は、四足歩行に似た動作を、おススメしております。


それは 床を拭く ことです。(※もちろん、モップを使ってはいけません)

タオルやぞうきんを使って、床の拭き掃除すれば、自然と四足歩行のかっこうになります。
多分、面倒くさいので、腕を縦横無尽に伸ばすでしょう。
そうすることで、自然と肩甲骨とその周りの筋肉を使うことになります。
それが、肩こり解消になるというわけです。

肩こりが解消されなくても、部屋がきれいになるので、まぁ、試してみる価値はあるのかと思います。

誰でも実践できる花粉症の撃退法

1 外出時にマスクをつけない
2 口呼吸で花粉を取り込むようにする
3 薬を一切使わない
4 朝起きたら濃いめのゴボウ茶を飲む
5 かゆくなっても洟(はな)をすすったり目をかいたりしない

『50歳を超えても 30代に見える 生き方』 より


1、2 
花粉症で「クシュン」となるのは、鼻で呼吸し、花粉を取り込んでしまうためだそうです。(※コショウのくしゃみと同じ原理)
口から花粉を取り込む分には、大丈夫だそうです。 また、口から花粉を少しずつ取り入れることで、「減感作治療」の効果もあるそうです。

 3、4
ゴボウ茶はからだにいいから、まぁ、とりあえず、ゴボウ茶飲んどけ、という感じの先生のようです。

 5 
目はかかないように、(なんとか)我慢できても、 はなをすするな!はちょっとキツイですね。 こういう書き方しているということは、はなをかむのも、おすすめではないのでしょうし…。

この春は、ダラ~とはなをたらせってことなんですかね?


 「つらいのはよくわかりますが、アレルギーによって引き起こされるかゆみは、免疫の過剰反応によって引き起こされたもので、花粉や蕎麦粉の中にかゆみ成分が存在するわけではありません。かいたことによって免疫細胞から分泌された「ヒスタミン」によって、かゆみは出てくるものなのです。」(P120)

 「不思議に思われるかもしれませんが、こうして「このかゆみは本当のかゆみではない。脳が作った幻想なのだから、これに振り回されてはいけない」と思うようにすれば、かゆみはだんだん気にならなくなります。」(P121)

 「私たちの脳は非常に単純にできているため、「かゆいかゆい」と思うとかかずにはいられませんが、「かゆみなんて存在しない」と自己暗示してかかないようにすれば、それだけでかゆみは治まるものです。」(P122)

 ※以上 『50歳を超えても 30代に見える 生き方』 より引用

『50歳を超えても 30代に見える 生き方』  南雲吉則











50歳を超えても30代に見える生き方 「人生100年計画」の行程表 (講談社プラスアルファ新書)
2011年第1刷発行。
ナグモクリニック院長、南雲吉則氏の著書。
分かりやすい解説が大好評となり、テレビに多数出演。


この先生って、もう60近いんですね、そのことに驚きです。

本書を一言でいえば、

「現代人が、健康的に人生を送るための生き方の提案」

といったところでしょうか。

わたしも、南雲先生のご意見に、おおむね賛成です。(なんか偉そうで、すみません

第一に、現代人は、あれこれと食べ過ぎ、飲み過ぎですよね。
(南雲先生は、1日1食のようです。)
まぁ、それは極端だとしても、時間になったからごはんを食べる、のではなく、お腹が空いたら食べる、というくらいが、生物としてちょうどよいのかと思います。

サプリメントなども完全に否定されていて、

「体に悪い偏った栄養をさんざん摂っている人が、その免罪符としてサプリメントを飲んでいるのかもしれませんが、…」(P154)
~サプリメント=免罪符とは、すばらしい表現です。思わず首肯
だいたい、まともなお医者さんで、サプリメントを薦めている先生っていらっしゃるのでしょうか?

健康や健康法に絶対はありません。
南雲先生の健康法が万人にきくとは思いません。
しかし、多くの人に効果があがる健康法だと思います。



関連記事 誰でも実践できる花粉症の撃退法
       肩こり解消は 「四足歩行」?

2012年1月27日金曜日

整体やマッサージの最安値 60分でいくら?

デフレの影響もあるのでしょう。
整体やマッサージの料金もだいぶ下がってきていますね。

クーポン使用で70~80%割引は、当たり前、クーポンなしでも、60分3000円くらいならば探せばけっこうありますね。


ヤフー知恵袋を見ていたら、おそらく 業界最安値と思われるお店を紹介しておりました。

こちら  bis横浜馬車道店 と
こちら  指圧マッサージサムライ です。


両方のお店とも 60分 2000円 です!

よく言えば、良心的な価格設定なのでしょう。
悪く言えば、片手間?(※あくまで重箱の隅をつつくように、悪く言えばですよ)な感じです。



bis横浜馬車道店 さんの場合は、美容院に併設されているリラクゼーションで、「美容のついでにどうですか?」的なニオイがします。
もっといえば、「ヘッドスパ(60分6000円)と一緒にマッサージもどうですか?」という感じでしょうか。



指圧マッサージサムライ さんは、マッサージの国家資格持ちの、ほんとうの(?)マッサージ師の先生です。
こちらの先生の場合、店舗単独でなく、自宅兼店舗でやられています。


店舗の費用を抑えられる分、安くできるという仕組みです。
ただ、自宅兼店舗の場合ですと、どうしてもお客さまは、入りずらくなってしまいます。

とくに女性のお客さまは、入りずらいのではと思われます。この先生は男性ですし。

良心的な価格もすばらしいです。しかし、お客さまに不安な思いをさせないことも、経営の上では必要なのではと思います。
店舗単独にしていないところに、どうしても片手間感を感じてしまいます。(※※あくまで、重箱ですよ)


料金が安いお店、そうではないお店。
それはお客さまが選べばよいだけの話で、選択肢としてはアリ
だと思います。

同じラーメンでも、100円のカップラーメンから、800円のお店のラーメンまでさまざまです。
同じラーメンならば値段の安い方を選べばよいでしょう。
ただ、値段が違うということは、それなりに理由もあるということを、認識する必要はありますよね。

2012年1月26日木曜日

『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』  小林弘幸











なぜ、「これ」は健康にいいのか?
2011年初版発行。 
順天堂大学医学部教授、小林弘幸氏による。
自律神経研究の第一人者として、テレビでの活躍も多い。



 「これ」とは自律神経を整える、さまざまなことです。

せかせかしがちな現代人は、どうしても交感神経だけが優位になりがちです。
行動も動作も「ゆっくり」を心がけて、副交感神経を優位にする方法や生活習慣などを紹介しています。


本書を新聞で知ったとき、わたしは正直、期待しました。
新聞の広告で、「これ」というのが自律神経にまつわることというのはわかっていました。
そして、整体やマッサージには交感神経を鎮め、副交感神経を優位にする作用があります。
ということは、「これ」を、わたしの仕事に応用できるのでは、と期待しましたが…。

まぁ、健康本は、話半分ってことですね。


安保先生 も、こんな感じの婉曲的な表現にすれば、バッシングされずにすむでしょうに…

2012年1月25日水曜日

『病気は自分で治す』  安保徹












病気は自分で治す―免疫学101の処方箋 (新潮文庫)
2006年第1刷発行。
新潟大学教授、安保徹氏による著書。
氏には他に、『免疫革命』、『医療が病いをつくる―免疫からの警鐘』など、著名な作品が多数あります。



本来ならば、『免疫革命』が有名どころなので、そちらを読むべきなのかもしれませんが、たまたま図書館で見つけたので、こちらを読んでみました。


「慢性疾患や難病と呼ばれているほとんどの疾患は、患者自身の生き方の偏りに起因しているからです」(P12)
~“生き方の偏り”とは…。
のっけから、お医者さんらしからぬ非科学的な論調に、むしろ親近感さえ覚えます。
もちろん、偏った生き方の説明もあります。
まぁ、そのような生き方で病気になる人もいるでしょう。
しかし、偏った生き方をしてない人の方が、少なくありゃしませんか??
その人たちが全員、慢性疾患や難病を患っているのならば、主張通りでしょう。
でも、現実はどうなのでしょう。

~全般的に言えることですが、この先生は患者さんに厳しい気がします。

「病気になったのはあなたのせい、病気が治らないのもあなたのせい。すべて自己責任なんですよ。」と言われている気がして、病気でもないのに、気が小さな(?)わたしなどは、読んでいるだけで、怒られている気がして、気が滅入ってしまいます。(気が付いたら“気”ばっかりの記述…

病気になったのは、病気のせいであって、その人は運が悪かっただけだと思ってしまうのですが。どうなのでしょう?

もちろん、生活習慣や精神状態は、病気の一因になるのでしょう。
でも、生活習慣や精神状態が悪い人が、すべて病気になっているかといえば、どうなのでしょう?
極端に言えば、がんになるかといえば、そうではないはずです。


この先生の主張は
「自律神経のなかの交感神経が活性化すると、白血球のなかの顆粒球(細菌を貪食するのに優れている)が増加し、副交感神経が活性化すると、リンパ球(免疫を司る)が増加する…(中略)
 自律神経の働きが、交感神経、あるいは副交感神経のどちらかに偏り過ぎると、顆粒球、リンパ球という二大白血球の過剰反応も生まれ、病気をつくり出してしまうのです。
 この考えを取り入れなければ、病気の成り立ちを理解することはできません。」(P24)

~免疫機能とがんの関係性は 免疫機能が低下すると がんのリスクが高まる でも取り上げました。参考までにどうぞ。


前半は医学的な見解が多かったのですが、中盤にさしかかるころから、なんだか精神論のような本になってます。
もちろん、医学部出の大学教授が、精神論を論じてはいけないと言っているわけではありません。
ただ、なんだか代替医療の先生のお話のような気がしてしまって…。
これで本当に病気が治るのだったら、思わず
「先生に一生ついていきます!!」って叫んでしまいそうな、そんな読後感です。


参照   自律神経免疫療法
      安保徹『免疫革命 実践編』/編集者が監修者を諫めている希有な本
      癌性疼痛の除痛すら否定する安保徹と上野紘郁
      安保徹という人のトンデモな本
      安保徹医師と上野紘郁医師の対談に対する反応

2012年1月24日火曜日

その腰痛、放っておくとどうなるか? 

「整形外科へ行っても、レントゲン撮って、からだ引っ張って、湿布もらって、はい、お終い…」などという話は、あちこちで聞かれます。

それでもって、「やっぱり整体やマッサージじゃないと、ダメなんですよ~
」と、われわれ施術者は、口をそろえて言います。

なんだか、整形外科の先生が悪者になっている感じです。

正しさでいえば、もちろん、われわれ 整体師 の方が正しい…わけではなく、

残念ながら整形外科の先生のようです。



急性の腰痛の場合を考えてみましょう。

もし、医者にも整体にも行かず、なにもせずに腰痛を放っておいたなら、1~3ヶ月後には、どうなるでしょう?

「急性の腰痛患者のその後を追跡した15の研究をまとめた検討結果で、1ヵ月以内に、痛みと生活上の障害は6割程度軽くなり、8割以上の人は以前の仕事に復帰しています。3ヶ月の時点では、ほとんどの症状が改善しているという結果でした。」(P127)
※ 『治療をためらうあなたは案外正しい』

つまり、何をしても(しなくても)、ほとんどすべての人の腰痛が、3ヶ月後には改善しているのです。

ですから、短期的に痛みをとるような処置や施術は、その場しのぎ的には有効なのでしょう。
しかし、長期の視点に立てば、腰痛治療といったものは、確率的には役に立っているとはいえない、ということです。


ということをわかったうえで、整形外科の先生は、

何もしない 


のではなく 

放っておけば治るようなものに、いたずらに手をかけない

というです。


治療効果もさることながら、


放っておくとどうなるのか?

この視点が、わたしたちが医療とかかわる際、重要なポイントになるのかもしれませんね。

腰痛の治療効果のまとめ


   急性腰痛慢性腰痛
有効飲み薬の痛み止め集学的治療
通常の活動を続け
るようアドバイス
腰痛体操
有効である可能性が高い整体飲み薬の痛み止め
集学的治療整体、鍼
どちらとも言えない牽引
有効でない可能性が高い腰痛体操
無効もしくは有害ベッド上安静椎間板への注射

※集学的治療:医師、理学療法士、作業療法士、心理学者、ケースワーカーがチームを組んで、肉体的・心理社会的の両面から集中的な治療を行う
※※ 『治療をためらうあなたは案外正しい』 より転記


上記データの大元は、『クリニカル・エビデンス』という英国医師会が発行したものです。診療上の疑問に関するエビデンスを、広範囲にわたって集めています。
日本語版も出ております。→
クリニカルエビデンス・コンサイスissue 16 日本語版


イギリスでの調査ですので、“整体”がなにを指しているのか、定かではありませんが、おそらくカイロプラクティックやオステオパシーをふくめた手技療法全般かと思われます。


いずれにしても、調査結果は、整体にかんして、急性・慢性ともに


有効である可能性が高い


となっております。


著者も、この本( 『治療をためらうあなたは案外正しい』 )の中でふれていますが、この調査結果によると、急性腰痛、いわゆる ぎっくり腰 のときも、安静にしているよりも、積極的に「通常の生活を送る」ようにした方がよい、という結果になっております。

う~ん、わたしなども、「2~3日は安静に」と言っていたクチなので
勉強不足でした。

でも、自己弁護するわけではないですけど、2~3日も、絶対安静にできる人って、それほどいらっしゃらないですよね?

男の人は、仕事があるので、とりあえず強い痛みが引けば、仕事に行くでしょうし、女性なら仕事や家事などで、じっと寝ていられないでしょう。
でも、それで結果的にはよいそうです。

じっと寝ているよりも、動ける範囲でどんどん動く。
これが、これからの腰痛対処法みたいです。

レントゲンは腰痛を長引かせる? バイアスとマイナスのプラシーボ効果

みなさまはレントゲンって好きですか?
(まぁ、好きな人はいないか)
わたしなどは毛嫌いしている方ですね。なぜか?

レントゲンによって病気(肺がん)を見つける確率と、レントゲンの被曝によって、がんになる確率が、ほとんど同じだからです!

といっても、どちらもコンマいくつ(0.0…)の確率ですけど。


こちらの本 『治療をためらうあなたは案外正しい』 の中に、レントゲンにかんする、おもしろい実験データがありました。


レントゲンを撮った患者さんの方が、レントゲンを撮らなかった患者さんよりも、腰痛の痛みが長引いている!


記述は間違っていませんよ。

レントゲンを撮った人の方が、痛みが長引いている、というデータがあるそうです。

なぜかというと

1 レントゲンを撮ると、少なからず骨の異常やゆがみが見つかることがある。
(※ただし、正常の人の骨でも、すべての人の骨が正しい位置にあるわけではない。 NHK あさいち ぎっくり腰2

2 医者は、レントゲン上の異常と腰痛を結びつけて考えてしまいがちになる。(一種の バイアス )

3 医師の診断を聞き、患者もレントゲン上の異常と自分の腰痛を結びつける。

4 患者自身がいつも骨の変形と痛みを関連づけるため、放っておけば治まる症状が固定化される。

レントゲン上の異常と、自分の腰痛を強く結び付けてしまうため、腰痛を意識する分、痛みが長引いてしまうようです。
(あくまで最後の部分は推論のようですが)

これはまさしく プラシーボ効果 ですね。この場合は、マイナスのプラシーボ効果ということになりますけど。


医師が、レントゲン写真を見ながら、難しいそうな顔で、なにか言う→それだけ、自分の腰痛は重いものだと感じる

これが
「レントゲンを撮りましたけど、骨には異常はないですね~」だったらどうでしょうか?
雲泥の差ですよね。

でも、骨の異常=腰痛の原因、とは限らないのですよ!!(読んでない人は 
NHK あさいち ぎっくり腰2

腰痛 どうする?

「やばい、腰が痛い!」

急に腰が痛くなった経験をお持ちの方は、少なくないでしょう。
そして、これから先もそのような腰痛に見舞われるかもしれません。
でも、そんなときはご安心を、ぜひうちの整体院に…

というような告知のブログでは、もちろんありません。


まず行くべきは、病院、つまり整形外科です。
たぶん、そこでは 腰痛ですか?で始まり、電気かけて、湿布をだして、お大事にしてくださ~い、で終わると思われます。

でも!  それでよいのです。それがよいのです!


病院の大切な役割の1つに、重篤な症状を見逃さない というものがあります。

腰痛の場合ですと、膵臓がんやがんの骨転移などの際、背中や腰に痛みが生じる場合があります。
また、骨髄炎や椎間板炎などの感染による腰痛もあります。
そのような危険な病気でないことを知るために、まずは整形外科で、いちおう診てもらうのがベストです。
そして、その後に、お好きな施術院に行くことをおすすめします。
まぁ、どこにも行かないというのも,正しい選択の1つであるかもしれませんが…(関連記事 整体で腰痛は治るのか?


がんによる腰痛を除外するための6つの質問

1 50歳以上ですか?
2 これまでに、がんにかかったことはありますか?
3 体重が減っていますか?
4 1ヵ月以上治療しても良くなっていませんか?
5 安静で良くなりませんか?
6 1ヵ月以上続いていますか?

※1から4のうち、すべて「いいえ」なら、がんによる腰痛の可能性はほとんどない

※参照   『治療をためらうあなたは案外正しい』
 

『治療をためらうあなたは案外正しい』   名郷直樹












治療をためらうあなたは 案外正しい EBMに学ぶ医者にかかる決断、かからない決断

2008年第1刷発行。
医師である名郷直樹氏による著書。
「根拠に基づく医療」を基準に、わたしたちの医療機関との関わり方を提言しています。



  「検査や薬で助かる人も確かにいる。だけど、検査や薬が必要だと思われない人は、それ以上にいる。というか、必要ないと思われる人がほとんどです。」というのが著者の主張の骨子です。
この手のものって、ほんとうに難しいですね


こちら
  『テレビじゃ言えない健康話のウソ』 中原英臣 でも、同じような問題がでてきます。
結局のところ、個人の利益と集団の利益が合致しないところで、医療や医療費の問題がどうしても棚上げされてしまうのでしょう。


「本書が強調するのは、これくらいは放っておいても大丈夫だよということであったり、治療をどんなに一所懸命したって、これくらいはうまくいかないよ、そんなことです。」(P4)
~すべて医師にまかせる、薬を飲む・飲まない、自分で生活習慣を改善させる、むしろ病院には行かない、といった幅広い選択肢を提供することで、読者に豊かな選択肢を提供したいというのが、こちらの1冊です。


高血圧・高コレステロール血症・糖尿病・かぜ・インフルエンザ・腰痛・花粉症・アトピー性皮膚炎・喘息・胃潰瘍・虫垂炎(盲腸)・ガン検診・うつ病


について、各項目ごとに詳述しております。




関連記事 その腰痛、放っておくとどうなるか?
       腰痛の治療効果のまとめ
       レントゲンは腰痛を長引かせる? バイアスとマイナスのプラシーボ効果
       腰痛 どうする?

2012年1月23日月曜日

カイロプラクティックの概念 3

カイロプラクティックの概念 2 の続きです。


もう100年以上の前の話ですし、ウソかホントかはわかりません。
でも、まぁ、理屈は通っていますよね。

リラードは事故に遭った
→その際、背中の一部が隆起した
→その隆起をパーマーが押しこんだ
→リラードは事故の前と同じ状態に戻った(つまり、耳が聞こえるようになった)

事故による背骨の異変、それを直すことによって、からだの機能が元通りになった。

理屈では、おかしいことではありません。

でも、この理論(というか理屈)が、広く一般の病理に適用できるというのは、なんだかなぁ~って感じになりませんか?


とりあえず100歩譲って、この理論にしたがいましょう。


この理論でいうと、事故(か何か)で、明らかに背骨がおかしくなった人には、もちろん対処できます。
いちおう成功例もあるようですし。


でも、事故も何もない人や、探さなければわからない程度の隆起(亜脱臼=サブラクセーション)の人にも、適応できる理論となってしまうのはどうしてなのでしょうか?
いささか、理論が飛躍しすぎている感が否めません。


また、少し大人の(うがった)見方をすれば、パーマーが自分の商売のために、からだのゆがみやその対応方法、メリック・チャートを発案したとも考えられませんか?


つまり、健康器具を売るために。


もしそうだとしたら、たいした商売人です。
健康器具を売るだけでなく、カイロプラクティックというテクニックを世に広め、後には大学まで作ってしまうのですから!

カイロプラクティックがパーマーの描いた壮大な絵空事だとしたら…。


もしそうなら、熱心なカイロプラクターたちは、パーマーの作りごとに1世紀以上、情熱を傾けていることになってしまうのですが…

「カイロプラクティック」 信じるか信じないかは、あなたの意思におまかせします

※ 『カイロドクター 「成功」への道』 参照

カイロプラクティックの概念 2

カイロプラクティックの概念 の続きです。


 カイロプラクターのバイブルともいうべきものに メリック・チャート というものがあります。
「ここの背骨は、この病気と関連がある」というものをチャートにしたとても画期的なものです!(もちろんそれが信用するにたるものであればですが)
※参考までにどうぞ サザンカイロプラクティック メリック・チャート

基本的にはカイロプラクターは、患者さんの主訴を、この表に照らし合わせて施術します。
例えば、胃痛であれば、胸椎の6番・7番にサブラクセーション(ゆがみのようなもの)があるはずなので、それをアジャスト(矯正して正しい位置にする)します。
そうすれば胃痛は治ります。
というのが、カイロプラクティックの病理理論なのですが…

治る、治らないの前に、そもそも理論として、きちんと体系化できている理論なのでしょうか?
そこにまず大いなる疑問を感じざるをえません。


カイロプラクティックは、19世紀末にアメリカで誕生しました。
創始者は、D・D・パーマーという人で、ハーヴェイ・リラードという人をアジャストメントで治したのが始まりといわれています。

ハーヴェイ・リラードは難聴者でした。しかし、生まれつきの難聴ではなく、17年前の事故から、耳が聞こえづらい状態になったということでした。
そこで当時電気療法師だったパーマーが、リラードをみることになりました。(※パーマーは当時、今でいうところの“パワーヘルストロン”のような電磁治療器のセールスマン)
パーマーがリラードの背中をみると、背中の一部が盛り上がっていました。そこでパーマーは、「この隆起が、難聴の原因に違いない」と考え(たかどうかはわかりませんが、パーマーは「考えた」という本が多い)、そこを押し戻してみました。
すると、大きな音と共にその盛り上がりが引っ込み、リラードの耳も聞こえるようになりました。

という寓話的ともいえるお話が、カイロプラクティックの始まりです。

※ 『カイロドクター 「成功」への道』 参照 



カイロプラクティックの概念 3 へ

カイロプラクティックの概念

「カイロプラクティックでは、主に背骨(脊椎)の歪みが人を病気にすると考えます。背骨が歪んだり曲がってしまうことにより、神経のバランスが崩れて正常に機能しなくなり、自然治癒力が低下して身体の期間や組織に異常が起こるという理論です。」(P47)
~基本的にはこれが、カイロプラクティックの基礎概念です。「ゆがみ→異常→矯正→治癒」という考えです。

「カイロプラクティックは背骨を重視した療法であるため、腰痛や肩こりを治す療法のように誤解されやすいのですが、背骨のゆがみはさまざまな病気を引き起こすもので、カイロプラクティックはそれらさまざまな病気にl効果をもたらします。」(P51)
~「背骨のゆがみはさまざまな病気を引き起こす」かもしれませんが、「さまざまな病気が背骨のゆがみによって引き起こされている」ということにはなりません。
※「タマは猫である」からといって「猫はタマである」とはいえません。
この辺は数学の【真】とか【裏】とかいう代物でしたよね?すみません、よく覚えておりません


~どうもこの辺の論理展開から、カイロプラクティックというものがおかしなものになっているのでは?と感じてしまいます。
背骨のゆがみが病気を引き起こしている
→ということは、すべての病気はどこかの背骨のゆがみが原因である
→それはどこかというと、それぞれの神経が出ている箇所ということになる
→ならば、そこの背骨をなおせば、病気も治る
というのがカイロプラクティックの病理理論なのです。

~背骨はおおきく分けて、頸椎・胸椎・腰椎と仙骨・尾骨からなっています。

※ 東洋総合治療センター さまより借用
※※  『カイロドクター 「成功」への道』 引用、参照 


カイロプラクティックの概念 2 へ

2012年1月22日日曜日

『カイロドクター 「成功」への道』   新渡英夫










カイロドクター「成功」への道―「癒しの仕事」で独立・開業しよう!
2003年第1刷発行。
日本カイロプラクティックドクター専門学院の理事長、新渡英夫氏著。


比較的最近の発行なので、カイロプラクターになることを考えている人には参考になるかもしれません。
カイロプラクティックの概要、カイロプラクティックの学校、卒業後の開業方法など丁寧に、宣伝書かれています。


この手の本は、学校か整体院の宣伝がほとんどです。

ご多分にもれず、こちらも半分以上が 日本カイロプラクティックドクター専門学校 の宣伝という感じになってます。


卒業後すぐに独立開業する人は、4人に1人という割合のようです。
この数字が多いのか少ないのかはさておき、ほとんどの開業者は、カイロプラクティック一本では営業していない(※もしくはできない)ようです。


リラクゼーションのコースを取り入れたり、「カイロと整体は違うんだよ」と学校で教えられているにもかかわらず、整体院を名乗ったりしています。
このような事態を、学校としては、どうとらえているのでしょう?

2012年1月21日土曜日

闘うがん患者の治癒率

先日のブログ 『偽薬のミステリー』 パトリック・ルモワンヌ のメモ書きで

「「何もかもお終いだ、死を待つしかないわ」と言ってがっくりする人は「戦って病気に勝ってみせるわ」と答える人よりその予後がよくない。」(P104) 

というのを書き留めておきました。

例えば、がん治療などがそうですが、


「前向きに、がんと闘おうとする人ほど治りも早く、予後もよい」


というのが日本でも定説になっています。
※ちなみに、『偽薬のミステリー
はフランス人による本です。


しかし、こうとも考えられると、 『病気になりやすい「性格」』 の中で述べられていました。

「がんと闘おうとしている人がかかっているがんの状態は、がんと闘う気が少ない人がかかっているがんの状態よりも軽い、ことが多い。」


つまり、頑張れば、がんが治る状態の人と、頑張っても見込みが薄い人・よりつらい努力が必要な人の差が、がんの治癒や予後の結果として出ているのであって、


必ずしも


「前向きに、がんと闘おうとする人ほど治りも、予後もよい」 

というわけではないのでは?という(仮)説です。


また、当たり前ですけど、「がんと闘ったけど、亡くなってしまった」という人は統計上出てきません。

「前向きに、がんと闘おうとする人ほど治りも、予後もよい」 

というのは、精神論としてはよいのかもしれませんが、学術的には(?)付きの保留といったところでしょうか。
リテラシーとは難しいものですね(;^_^A

免疫機能が低下すると がんのリスクが高まる

がん
がんは、細胞分裂のエラーから始まります。細胞分裂のエラーで突然変異した細胞ががん細胞です。
がん細胞は健康な人でも、1日数千個生まれているといわれています。
数千個は多いと思われるかもしれません。しかし、人間の細胞は60兆個あります。そのうちの数千個であり、確率にすれば100億分の1程度です。

免疫機能が低下すると なぜがんのリスクが高まるのか?
毎日数千個のがんが生まれているのに、がんにならないのは、免疫機能が働いているためです。
逆にいえば免疫機能がうまく働かない場合は、がん細胞を死滅させることができず、がん細胞を増殖させる一因となります。

免疫機能を低下させる原因の1つがストレスです

ストレスが免疫機能におよぼすメカニズムとして、次の2つが考えられます。

1 ストレスが加わると、脳のなかの視床下部-脳下垂体系が活性化されます。その結果、副腎皮質ホルモンの分泌が増えます。この副腎皮質ホルモンのおかげで、わたしたちはストレスを乗り越えられるのです。
しかし、副腎皮質ホルモンには、免疫機能を抑制するというマイナスの働きもあります。


2 リンパ球の一種であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、体内の「異物(=がん細胞など)」を探して、破壊します。このNK細胞の活性(強さ)は、感情やストレスで変わります。笑ったり楽しんだりすると、NK細胞の活性が上がります。反対に、辛い悲しい気持ちのとき、心身にストレスを受けているときに、NK細胞の活性が下がります。
NK細胞の活性が下がる状態、つまりストレスを受けているときは免疫機能も落ちている状態ということになります。

※ 病気になりやすい「性格」 (P117~119)の一部を転載、参照

『病気になりやすい「性格」』   辻一郎



2010年 第1刷発行。 
東北大学大学院教授、辻一郎氏の著書。

肥満になったり、心筋梗塞をおこしたり、ガンになったりするのは性格となにか関係があるのか?
5万人にも及ぶ追跡調査と海外の事例をもとに、性格と病気の関係について著している。


「ストレスが「からだ」に伝わると、自律神経系の働きや免疫機能に変化が生じ、そのため病気がおこりやすくなる。(中略)「こころ」にかかったストレスを「からだ」に伝えやすい人もいれば、あまり伝えない人もいる。だから、病気になりやすい性格がある。
もう一つのメカニズムとして、次のことがいわれている。性格は、その人の健康習慣(喫煙・運動・健診の受診など)や日常活動(趣味や社会活動の頻度など)を決める要因でもある。そして健康習慣や日常活動は「からだ」の健康に大きな影響をおよぼしている。だから病気になりやすい性格がある。」(P4)

~上記のメカニズムを解説し、肥満・心筋梗塞・がん・認知症との関連性を詳述しております。

~たばこは肺がんの原因とされています。
でも、同じようにたばこをすっていても肺がんになる人もいればならない人もいます。
この違いはいったいどこからくるのでしょう?
簡単に言ってしまえば「個人差」ということのようです。


「ストレスが体重に与える影響は、肥満の人とやせている人とで正反対であった。ストレスが強いと、肥っている人はもっと肥り、やせている人はもっとやせたのである。いわば、もともとの体格レベルがさらに強調された。」(P67)
~よくストレス太りとかいいますけど、やせている人はストレスでさらにやせるので、やせている人がさらにやせたらストレス過多を疑ったほうがよいということですね。


~かつてはお金持ちの病気とされた糖尿病や心筋梗塞も、現代のアメリカ社会では貧困層の病気となりつつあります。
それは貧困層が経済的な理由ゆえに満足な医療が受けられないという理由と共に、富裕層は満足な医療を受けられるうえに、自分の健康に気をつかい、ストレス解消やリラクゼーションへの自己投資に熱心である、という事由も一因となっているようです。


アメリカの10年後を行くといわれている日本も、もう同じになっているのかもしれません。少なくとも自分の健康に気にかけている(投資している)人の方が、より健康な状態を保っているように、わたしには感じられます。

2012年1月20日金曜日

正しい姿勢とは

正しい立ち方とは、

・体の一部に力が入りすぎることなく、頭のてっぺんから糸でつられているような姿勢
・まっすぐ前を向き、あごを軽く引き、肩の力を抜く
・へその下のあたりに力をいれ、お尻を引きしめる

正しい姿勢の確認法
壁を背に立ち
・頭
・肩
・お尻
・かかと
の4カ所が壁についているかどうか確かめる。
4カ所とも壁についている状態が理想的な立ち姿です。
※参照 専門医に聞く 腰痛 



※ L’MOS さまの写真を借用




関連記事 正しい座り方とは

正しい座り方とは

正しい座り方のポイントは

・イスに深く腰かける
・背筋を軽く伸ばして、おへそに力をいれて腹筋を引きしめる
・腰と太ももの角度はほほ垂直
・イスの高さは、足の裏が床面にぴったりとつくくらいに調整する
※参照 専門医に聞く 腰痛 

※ 肩こり百科 さまの写真を借用



関連記事 正しい姿勢とは


※追記

パソコン作業中の正しい姿勢

・いつもより坐骨を3センチ後ろに引き、坐骨の前の方に体重をのせる
・反り腰はNG。お尻が後ろに突き出ていたり、胸をはっておなかが前に出ていたりすると、返って腰をいためる
・頭の位置も重要。両耳の最上部を指でつまみ、天井に向けて真上に引っ張ってみる。そのまま体を前後に少し揺らし、首が最もスッキリしていると感じる位置がベストポイント
・パソコン作業は、左側に重心をかけていることが多いので、1時間に1回は、右に重心を移すことを意識する

読売新聞(2013.9.1)正しい座り方 より


> 正しい座り方とは 2(読売新聞(2013.9.1)正しい座り方)

2012年1月19日木曜日

整体のトリック 「大切なのは患者さん本人の“よくなりたい”という気持ちです」

とある整体院さんのブログを読んでいると

「ほんとうに大切なのは、患者さん本人の“よくなりたい”という気持ちです」

というような文言に出会いました。

でも、これってズルイんですよね、考え方の方向性として。


完璧な治療法のトリック と同じような論理展開になってしまいます。


1回、もしくは何回か施術をします。


もし治れば→「うちの治療法で、やっぱり治ったでしょう、よかったですね」


もし治らなければ→「大切なのは、ご本人の“治ろう”という気持ちですよ。それが足りなければ、治るものも治らないんですよ」


つまり、何回か整体へ通い、治ればその時点で治療は終了し、治らなければ施術は続くことになります。


もし治れば→「 やっぱりうちの治療法で治ったでしょう、よかったですね」


もし治らなければ→「ですから、前から言っているように、ご本人に、心の底から“治ろう”とする気持ちがなけれな、治らないんですよ」

という具合になります。


つまり、治れば、整体院(治療院)のおかげ
治らなければ、患者さんのせい

というロジックになりかねないのです。

これってちょっと “ジャイアンの法則”(※造語)に似ていますよね?

のび太のモノはオレのモノ、オレのモノはオレのモノ


みたいでズルくないですか??


病気から逃げていたり、自暴自棄気味になっている患者さんに、ご本人の意思と努力がなければ、治るものも治らなくなりますよ、という使われ方なら正しいと思います。
はてさて、あちらの整体院ではどのような使われ方をされているのでしょうか?

冷湿布なのか温湿布なのか、それが問題だ

イギリスが生んだ偉大な劇作家、ウィリアム・シェイクスピア も執筆の際に腰痛に苦しめられていたようで

To be cold or hot ; that is the question. ”  

「冷やすべきか温めるべきか、それが問題だ」という名言を残しています。

(…すみません、ここまでは冗談です)


よく聞かれることで
「冷湿布」がいいのですか?「温湿布」がいいのですか?という質問があります。

患部を触って熱く感じるようなら「冷湿布」
患部が熱くなく、慢性的な痛みのようならば「温湿布」と、いちおう答えております。

いちおう、というのは正解はないからです。
ですから、気持ちよければどちらでもよい、というのが本音です。(気持ちよい=からだが欲している、ということなので)


「冷湿布も温湿布もおもに消炎鎮痛剤が表面に塗られているので、とくに効果に違いはありません。」(P114)

「冷湿布にはメンソールの成分も合わせて塗られているので冷んやりする
温湿布にはカプサイシン(唐辛子)の成分も合わせて塗られているのでポカポカ感じられる」


という違いがあるだけです。

「ただ、ぎっくり腰などの急性の腰痛の場合、血行がよくなると痛みが強くなるので、温湿布は避けたほうが無難。」(P114)

皮膚の弱い方やお年寄りは、湿布によりかぶれることもありますので、様子をみながらうまく使用することが大切です。

※ 専門医に聞く 腰痛 より引用 、参照

『専門医に聞く 腰痛』   大沼寧監修



2010年第1刷発行。
山形徳洲会病院整 形外科部長、大沼寧氏監修。
腰痛の原因や基礎知識、腰痛の種類、対処法、腰痛の解消・予防のためのストレッチなど、わかりやすく説明、紹介しております。
とても丁寧に書かれているため、腰痛について知りたい方が初めて手に取る本としても、よい本だと思われます。


「ぎっくり腰の大半は、検査で異常が見られません。MRI検査でヘルニアが見つかっても、症状がまったくないこともあります」(P2)
~いまやこれが腰痛の常識となりつつあります。 ※ NHK あさいち ぎっくり腰2


「腰痛の大半が不良姿勢、運動不足、肥満、疲労など生活習慣が要因になっています」(P2)
~つきつめれば、肉体的疲労か精神的疲労が原因なのでしょうね。



「人間の脳は強いストレスがあると、軽い痛みや単なる疲れを増幅して感じ取ってしまい、激しく痛むと感じてしまうのです。」(P70)
~ストレスと痛みの感じ方には何かしらの因果関係があるのかと考えられます。不勉強なので、もっとそこら辺を勉強していきたいですね。


全体的にやさしく丁寧に書かれている本なので、とてもわかりやすいかと思われます。
医学的・科学的根拠に基づいた考察なので、変な(?)本に手を伸ばす前に、1冊くらいはこの手の本を読んでおきたいですね。

2012年1月18日水曜日

『偽薬のミステリー』   パトリック・ルモワンヌ



2005年第1刷発行。
フランスの精神科医・神経科学博士であるパトリック・ルモワンヌの著書。
暗黙の了解とされてきた偽薬の領域に、医師としての臨床もふまえ、科学的根拠に基づいた論証がなされている。
多くが偽薬について論じられているが、偽薬効果(プラシーボ効果 )を知るうえでも参考になると思われます。


「「この薬を飲めばすぐに治りますよ」と十分な確信をもって予言してやれば、投与される薬の作用を大いに高めることになる。このようなはったりは「治癒」効果を促進するので、結局はまったくの嘘だとは言い切れない。」(P75)

「偽薬効果を生み出すのに必要な三つの要素
治療の本当の力または見かけ上の力、医師の信念、患者の参加」(P77)



「医師の熱意、カリスマ性、患者に対する配慮、費やした時間、同情、憐憫、安心させる能力、それに何よりも処方に対する自信などが成功のための重要な秘訣になっている」(P84)


「ある分野で能力が高まるほどますます自信も深まり、自信が深まるほど偽薬効果を生みやすくなる。それが治療の魔術なのである。」(P85)


「病状がふたたび悪化したときーこれは通常短期間であって自然に治る病気ーに治療が加えられると、その直後から急速に回復したのは当然のこと治療のせいにされるのである。」(P95)


「文明人には本質的に科学的ロジックを崇拝する人がいて、そのような人では発病→診察→処方箋→服薬→治癒の順序で進行する病気の治療の中で、錠剤への真の条件づけが成立している。彼らは、もうすでに治癒を約束する信号となってしまった薬剤とよく似たものを服用するだけで十分なのだ!」(P98)



「「何もかもお終いだ、死を待つしかないわ」と言ってがっくりする人は「戦って病気に勝ってみせるわ」と答える人よりその予後がよくない。」(P104)



「神経にかかるストレスが免疫の混乱を引き起こしている」(P106)



「偽薬そのものに善悪の性格はない。結局は、どのように用いるか、ということである。いかなる効果もないはずのものが、ときとして絶大な効果を示し、医学を根底からゆるがしかねないこの恐るべき偽薬が、どのようなものであるにせよ、臨床医学に科学的な性格を与えているということもまた事実なのである。」(P190)



「周囲にいるだれもかれもが熱心に面倒をみてくれるものだから、患者たちがある種の満足感を味わうことになってしまった」(P197)



「偽薬の主たる原動力となるのは、医師の信念とそこから導き出されたもの、そして、患者の信頼である。」(P242)

2012年1月17日火曜日

眠れない人のために

みなさまはよく眠れていますか?
わたしは子どもの頃から不眠知らずです。(※旅行の前の日は興奮して眠れませんでした、「でした」というか、いまだにですf^_^; 


眠れない人はどうしても「(よく)眠ること」を考えてしまいがちだと思われます。
少し視点を変えて、起きること(目覚めること)や、日中の過ごし方を変えてみるのもよいかもしれません。


『早寝早起き』って、あの言葉自体がおかしいんですよね。
自然の成り行きから言えば、正しくは、『早起き早寝』のはずです。

まずは起きることが、大切なのではないかと思ってしまうのは、わたしだけでしょうか??


「『規則的な生活による衛生管理』

・日曜日であろうと、何時に寝たのであろうと、朝は必ず同じ時間に起きる


・熱いシャワーを浴び、目が覚めたらすぐに軽く身体を動かす


・食事は毎日同じ時間にとる


・昼寝は日曜日でも二十分以上はとらない


・午後二時以降はコーヒー、コーラ、紅茶、ココアを飲まない


・夜はぬるめの風呂に入って落ち着き、横になるときにはリラックスする

しっかりと目を覚ますことで、眠りをもういちど学び直すということです。」(P259)

偽薬のミステリー より引用

2012年1月16日月曜日

宙(そら)へ~宇宙世紀の肩こり事情

読売新聞の元気なう は、スポーツジムの特集です。どこのジムも、今は中高年の方々が一番のお得意様のようですね。
確か、カーブスも上得意様は、中高年の女性でしたよね。

「肩までつかれば、浮力で体重が10分の1になり、膝や腰への負担は軽くなるのに、水の抵抗によって手足を動かすだけで筋肉に負荷がかかる。(中略) 
肩を回しながら歩けば肩こりに、水を蹴りながら歩けば膝痛に効果的。」
※以上本文より引用

昔からプールでの運動は、膝に負担がかからないため、足腰を鍛錬するにはよいとされてきました。
水による浮力のおかげで、からだに不必要な負荷(重力・引力)がかからないからです。

先日、報道ステーション(?記憶曖昧)で宇宙飛行士の 古川聡 さんが出ていて、ふと思いました。


宇宙では、肩こり・腰痛はあるのだろうか?


今のところわたしは、

肩こり・腰痛の根本原因は、人間の二足直立歩行によるアンバランスにある、と考えております。
四つ足の動物(ほとんどすべての動物)に、肩こり・腰痛はありません。
(※追記、ダックスフントなどの小型犬には、腰痛の椎間板ヘルニアが起こるそうです)

古川さんは、インタビューの中で、「地球では重力のせいで2・5D(つぶれた3D)だが、宇宙では重力がないため完全な3Dである」というようなことをおっしゃってました。


地球上では、重力のせいで、からだが自然にゆがむようになってしまう、との仮説は成り立つのかと思われます。
もし重力の呪縛を解かれた宇宙ならば…と、ふと思ってしまったのです。


わたしの
肩こり・腰痛の根本原因は、人間の二足直立歩行によるアンバランスにある、と考えております。 という考えも、まだ仮説の段階で、正しいといえる状態にはありません。
なぜばら、二足直立歩行でも、肩こり・腰痛にとは、無縁の人もいます。その代表的な人たちは 子ども です。


最近では小学生でも肩がこったり、腰が痛くなったりすることは、珍しくないようです。(うちにも来ますし)
でも、わたしらの子どもの頃に比べると、ものすごく増えているような気がします。
そして、子どもらの肩こり・腰痛の増加と、肩を並べて同じように増えているのが、子どもたちへのストレスではないでしょうか?


もし、肩こりや腰痛が人間の筋・骨格、椎間板などにかかる重力による負荷が原因であれば、わたしたち人間は重力の呪縛を解くと共に肩こり・腰痛の呪縛を解くことができるでしょう。
しかし、もし、肩こりや腰痛の根本的な原因がストレスであるならば、人間に与えられた宿痾(しゅくあ)なのかもしれません。

宇宙世紀の肩こり・腰痛は、いったいどうなっているのでしょうか?
とても気になる今日、この頃です。

2012年1月5日木曜日

HPの告知 まずは美容整形から規制が始まるか?

美容にありがちな効果を誇張された内容のホームページを規制するという指針を、2012年度中に策定することを厚生労働省は決めた。
東京新聞1月16日(2012)  

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012011501001220.html(リンク切れです)


「美容整形や脱毛、脂肪吸引などを行う医療機関が対象。

限られた成功例を強調する施術前後の写真や患者の体験談は、掲載を禁じる方針。

優れた医療機関と誤認させる「ナンバーワン」「芸能プロと提携」などの文言や
「キャンペーン中で今だけ90%オフ」のような費用の安さを過度に強調する表現も禁止の方向。

指針では、術後の痛みや副作用、必ずしも期待通りの効果がない場合があることなど、リスクを知らせるよう求める。」
※以上記事より抜粋


美容の世界もそうですけど、整体の世界も似たような広告が多い(というかそんなのばかり)ですf^_^;

「限られた成功例を強調する患者の体験談」→ほとんどの整体院のホームページで見られるのが「お客さまの声」。まさに限られた成功例を強調ですね。


「施術前後の写真」→小顔矯正や美脚・O脚などの施術をしている施術院に多いです。施術直後でなく、翌日の写真を載せてくれれば、効果のほどを信じます。

※できれば、1週間や1か月後でも、元に戻っていないという効果を載せてほしいです。

・整体院で「ナンバーワン」とかは聞かないですね。「他でも治らなかった方、ぜひいらしてください」みたいなのはありますけど。

・「芸能プロとの提携」→昔からあるのは、「(ちょっとした)有名人がうちの整体院にやってきましたよ~」的な宣伝方法で、元プロスポーツ選手や一応名前が通っている芸能人と記念写真、それを宣伝に使う、ってやり方です。

・「キャンペーン中で今だけ90%オフ」→この手のものは、整体系でも本当に増えましたね。グルーポンが流行り始めた頃から、急激に増えた気がします。


・「術後の痛みや副作用、必ずしも期待通りの効果がない場合があることなど、リスクを知らせるよう求める」 →「うちの整体をしても必ずしも効果があるわけではありません」とホームページに書いてある整体院ってあるのでしょうか?


追記 
後日、このような案件で、摘発された小顔整体さんが出てしまいましたね。
「小顔矯正」根拠なし

2012年1月4日水曜日

遺伝カウンセリングの功罪

読売新聞1月16日(2012) 医療ルネサンス
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=53012(※リンク切れ) 


自分は将来がんになるのかどうか?
「それがわかれば苦労はしない」と考えるのが普通でしょう。

一昔前では考えられなかったことですが、
今では、がんになるかどうかはわからないまでも、遺伝的にガンになりやすいかどうかは、わかるようになりました。

それが 遺伝カウンセリング です。

でも、これってわかったところで、その後の対応って難しいと思いませんか?

検査の結果
「遺伝的にガンになりにくい」と出たとしても、「遺伝的にガンになりにくい」 =「ガンにならない」ではありません。まぁ、いくばくかの安心感はえられるでしょう。
しかし、ガンになる可能性が減少したわけではありません。

検査の結果
「遺伝的にガンになりやすい」と出たとしても、
「遺伝的にガンになりやすい」 =「ガンになる」というわけではありません。こちらの場合ですと、精神的な不安感や早期発見のための定期的なチェック、そして、それらにともなう金銭的な負担や精神的ストレスがかかる可能性があります。
しかし、ガンになる可能性が減少するわけではありません。

確かにこのような予備的な検査が拡充され、便利にはなりました。

便利にはなりましたが、それでわたしたちの生活が「ゆたか」になっているかどうかといえば…
みんさまはどうお考えになりますか?

2012年1月3日火曜日

営業がすべて

以前、本のパラ読みについてブログを書きました。 (「人間って、そんなに能力に差がないんだよ。後は…」

↓これもそんな感じの本です。



この本の中で「フムフム」とうなづきながら読んでしまったのが、P106あたりで

「とにかく営業がすべて、売れるか売れないかじゃくて、気合いと根性で売るんだ!」みたいな感じで、ITの世界でもやってたことは泥臭いことだったのだなぁ、と思わず首肯しながら読みました。

でも確かに、営業がすべてといえば全てですよね。
どんなによい物でも、営業しなければ売れないし、たいしてよくない物(と思われる物)でも、営業次第で大ヒットするわけですし。

でも、(“
でも ”がしつこい…)頭ではかわっていても、スコンと腑に落ちないのはわたしだけでしょうか??

「商売の基本は、安く買って高く売る」みたいな言い方ってありますよね。
あれってどうも腑に落ちないんですよね。
「安く買って、高く売る」って方向性の行き着く先は、「タダで仕入れて、できるだけ高く売る」ってことになります。
これってまさしく詐欺です。


ドラッカーは確か
「適正な価格で仕入れて、適正な価格で売る」といっていました。
なるほど、これなら納得です。


さらに納得させてくれるのは松下幸之助で、たまたま今日新聞にも載っていました。
「商道徳とは(中略)適正な利益をとりつつもなお、安くなるよう努める」 ※読売新聞(2012.1.15)朝刊より引用
日本が誇る商売の神様は、さすがに言うことが違います。