「整形外科へ行っても、レントゲン撮って、からだ引っ張って、湿布もらって、はい、お終い…」などという話は、あちこちで聞かれます。
それでもって、「やっぱり整体やマッサージじゃないと、ダメなんですよ~」と、われわれ施術者は、口をそろえて言います。
なんだか、整形外科の先生が悪者になっている感じです。
正しさでいえば、もちろん、われわれ 整体師 の方が正しい…わけではなく、
残念ながら整形外科の先生のようです。
急性の腰痛の場合を考えてみましょう。
もし、医者にも整体にも行かず、なにもせずに腰痛を放っておいたなら、1~3ヶ月後には、どうなるでしょう?
「急性の腰痛患者のその後を追跡した15の研究をまとめた検討結果で、1ヵ月以内に、痛みと生活上の障害は6割程度軽くなり、8割以上の人は以前の仕事に復帰しています。3ヶ月の時点では、ほとんどの症状が改善しているという結果でした。」(P127)
※ 『治療をためらうあなたは案外正しい』
つまり、何をしても(しなくても)、ほとんどすべての人の腰痛が、3ヶ月後には改善しているのです。
ですから、短期的に痛みをとるような処置や施術は、その場しのぎ的には有効なのでしょう。
しかし、長期の視点に立てば、腰痛治療といったものは、確率的には役に立っているとはいえない、ということです。
ということをわかったうえで、整形外科の先生は、
何もしない
のではなく
放っておけば治るようなものに、いたずらに手をかけない
というです。
治療効果もさることながら、
放っておくとどうなるのか?
この視点が、わたしたちが医療とかかわる際、重要なポイントになるのかもしれませんね。