腰痛には医療機関で温熱療法や電気神経刺激療法、牽引療法などを受けることも多い。
ところが、研究論文の蓄積をもとにまとめられた日本整形外科学会・日本腰痛学界が発表した最新の『腰痛診療ガイドライン』(2012年11月)では「エビデンスが不足している」などと指摘されている。
例えば患部を温める温熱療法は、急性の腰痛患者に対しては一部で有効性が見られるものの慢性腰痛に対しては「質の高いエビデンスは存在しない」という。温湿布などについても同じだ。
また脊髄を通る神経に微弱な電気を流す電気神経刺激療法は、海外で複数の研究が行なわれたが結論が分かれている。
「腰痛治療を専門とする医療機関でよく見かける牽引器具は、使った患者と使わなかった患者で痛みの緩和や可動域の拡大に有意な差は認められていません。硬い背骨に牽引したぐらいで変化が起きるとは考えにくい。
マッサージ効果によってその場限りでは楽になる人もいるかもしれませんが、アメリカの治療ガイドラインでは、『牽引は効果がないばかりか、害があるので止めたほうがいい』とまで指摘されているので注意が必要です」(白土修・福島県立医科大学会津医療センター教授)
腰椎コルセットについても、身体動作は改善されるが痛みの改善に効果があるというエビデンスはない。
※SAPIO2014年6月号
基本的に慢性腰痛でなければ、腰痛は自然治癒するものだと思います。
ですから、何かをやっても、(もしくは何もやらなくても)治る可能性のある症状だと、わたし的には考えております。
ということは、電気にしても牽引にしても、そのものが腰痛を治していない可能性はある、というか、可能性は高いでしょう。
これは整体師の腰痛の回復期に乗っかるという構造と同じです。
ただ、整体にしても上記のような整形外科での機械治療にしても、やらないよりはやった方がいい人はたくさんいると思います。
なぜなら、大きく捉えれば、偉大なるプラシーボ効果があり、また細かく見ればその他の効果も付随すると思われるからです。
風邪を引いた時は風邪薬を飲めば治る!
といった持論をお持ちの方なら、整体なり整形外科なりに行った方が、腰痛の治りは早いかもしれません。
風邪薬の成分って基本的に「治す」成分ではなく、症状を「抑える」成分です。
治しているのは自分の体、つまり、自然治癒力です。
腰痛も基本的には自然治癒によって治るのです。
ですから、風邪にしても腰痛にしても、何かをするのではなく、何もしないで自然治癒に任せるのが基本となります。
※そのための生活管理、健康管理は必要
しかし、世の中には、何かをやらずにいられないという人がゴマンといます。
つまり、ほっとけば治るのに、それをほうっておけないのですf^_^;
※参照 その腰痛、放っておくとどうなるか?
そのような積極的(?)な人は、自然治癒力を高めるために風邪薬を飲んだり、整体へ通ったりというのは有効だと思います。