2013年6月17日月曜日

ファストマッサージは規制されるか?


Big America Grand Canyon Burger / Dick Thomas Johnson


先日、ある人と話をしていて、街中で1時間3000円くらいの“マッサージ系”のお店、いわゆる ファストマッサージ が本当に増えましたね、という話題になりました。
※(ある人とわざわざ伏せる必要はないので→)ある人とは、 サンプロのTさん です。

その話の中で、「これだけ増えすぎると、この業界にも規制が入るんじゃないんですかね?」と聞かれました。
どうでしょうか?
わたしとしては、それはないと考えております。

業界に規制が入るとしたら

1 著しい健康被害が多発している
2 似たような業界団体から圧力がかかる
3 内部告発などで、中から崩壊する

以上の3点が考えられると思います。
※もちろん、わたしの推測ですから、明日、規制されるかもしれませんけどねf^_^; (ちょっと逃げ腰の論調)


まず、規制されるとしたら、要因として一番可能性が高いのは、1の「著しい健康被害が多発している」でしょうね。
現在、よく調べれば、「健康被害」は出ていると思います。
ただ、それは決して「著しい」とまでは、言えないレベルのものだと思います。

※参照 TBS Newsi マッサージや整体で骨折の被害も

上の調査結果でも、健康被害の報告は見られます。
しかし、著しい数とまでは言えません。

数は少なくても、健康被害が出ているならば、無資格の施術はやめるべきだ!と反感をおぼえる人もいらっしゃると思います。
ただ、ここで問題なのは、では国家資格があれば健康被害が出ていないかといえば、そんなことはないという事実です。

無資格→健康被害多発
国家資格→健康被害なし

という調査結果ならば、即刻無資格の施術を規制すべきでしょう。
でも、現実は資格があろうがなかろうが、同じように健康被害が出て、なんなら鍼や整骨院での治療の方が、その程度が大きい場合がある、というのが現実なのです。

これをどう捉えるか?そこが難しいので、「健康被害」の側面からは、なかなか規制しづらいと思います。

そもそも、整体師の職業が違法とされていないのは、

A 「人体に害が無い行為」を行うのならば、それを妨げる法律はない
B 憲法で「職業選択の自由」が保障されている

この2点をよりどころとしています。
いわゆる無資格でもできる「ファストマッサージ」も同じように考えられるでしょう。

ですから、健康被害であるAを起こしてしまった場合、それをどう判断するかでしょうね。
あくまで「故意」と捉えるか、はたまた「未必の故意」と捉えるか、みんさんはどうお考えになりますか?


次に可能性があるのは2でしょうね。

2の場合、抗議をするとしたら、正規の「マッサージ」の業界団体でしょうね。
しかし、そういったものがあるのか?きちんと組織として運営されているのか?
ちょっと内部事情に詳しくないのでわかりませんが、予想としてはうまくまとまっていないと思います。
そもそも、マッサージ業は個々人で完結してしまう仕事なので、業界団体を作ったり、そこに所属したりするメリットが薄いと思うのです。

でも、この業界が、抗議するということは可能性として考えられますね。
ただ、その抗議が法律の最上位に位置する日本国憲法で定められた「職業選択の自由」に勝てるかどうか?
わたしには、勝てると思えません…。


3の内部から、というのもなくはないと思います。
この手のファストマッサージ店は、 雇用形態が業務委託 です。

営業時間は、朝の11時~夜中の2時までとなっています。その時間内に、好きな時間に来て施術をし、好きな時間に帰っていいという意味です。
ただ、本当にそれでお店として立ち行くのか?

この時間に入ってくれとか、もう少し残ってくれとか、そういうようになっているのが現状ではないのでしょうか?
また、店の掃除やポスティングなどは任意であり、強制はできません。

もし上のような「従業員」にしてもらうことを命令された場合は、やる必要はありませんし、もしやるとしたら別途で給与が発生します。

というような、おそらく超ブラックである雇用形態をつつけば、厚労省なりの労働を管理監督する部署が動くかもしれません。
ただ、その場合、そのお店にだけ行政指導が入り、業界全体にまで波及するかと言えば、どうでしょうね?
おそらく難しいでしょう。


ある業界を規制するような動きは、乱暴な言い方ですが、人が死ぬようなことがないかぎり、まず起こらないと思います。

なにせ、法律の最上位である日本国憲法で保障された「職業選択の自由」は大きいと思います。
もちろん、それは「人体に害が無い行為」に限りますが。


追記

昨年の4月に起こった「ツアーバス」くらいの事故(事件)でも起きないかぎり、なかなか規制というものは、どの業界でもしづらいのではないのでしょうか?
※以下転載

ツアーバス業者半減へ、厳格基準でコスト増
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130617-OYT1T00664.htm(※リンク切れ)

昨年4月に群馬県藤岡市の関越自動車道で乗客45人が死傷した高速ツアーバス事故を受けて国土交通省が8月に導入する新制度で、高速ツアーバス事業者のうち半数が、停留所の確保などコスト負担増を理由に撤退する方針とみられることが同省のまとめでわかった。

同省は「現在よりも便数が減る可能性が高い」としている。

国交省によると、全国の高速ツアーバス事業者は昨年9月時点で228社。同省は、許可審査に約3か月かかるとして今年4月末までの申請を呼びかけてきたが、申請は今月14日時点で、新たに自社運行を始める旅行会社も含めて111社にとどまっている。撤退後は、観光などの団体向け運行に専念するとみられる。

(2013年6月17日14時57分  読売新聞)