2012年3月6日火曜日

大切なことは全部〇〇から教わった

突然ですが、問題です。
次のものは、いったいなんでしょう?

ヒント 1 動物ならば、たいてい1つはもっている
ヒント 2 いるべきところに、おさまっていれば、悪さはしない
ヒント 3 悪いやつだと誤解されているが、ただたんに気持ち悪いだけ

これらのヒントだけで、わかったら、あなたは相当な通です。





 
※写真は サナダムシ


正解は、寄生虫です。  


「寄生虫は悪いヤツだ!」
正直いうと、わたしの知識もそんなものでした。

そもそも寄生虫が悪いヤツ、つまり、宿主(寄生先の生き物)に害を与える有害な生き物だとしたら、自分で自分の首をしめることになってしまいます。
寄生先の生き物が死んでしまえば、自分の命も危うくなるのですから。
例えば、寒いからといって、暖をとるために、自分の家の壁板を一枚ずつはがして、たき火をするような行為は、結果的に家がなくなり、寒い思いすることになります。
ですから、寄生虫にとって、寄生先の生き物とは、平穏無事な関係性が基本です。

ただし、まったく悪さをしないかといえば、そんなことはありません。
それは間違ったところに寄生してしまった場合です。
本来の寄生先が、キツネや犬なのに、人間に寄生してしまうと、これは危険です。

エコノキックス が代表的なものですね。
これなどは、人間に寄生すると肝機能障害をおこします。
でも、キツネや犬などは、健康そのものなのです。

ですから、寄生虫(エコノキックス)が悪い、のではなく、本来の寄生先からそらした、人間が悪い、ともいえるのです。

北海道で、キツネに近づかないでくだいさい、との警告看板があるのはそのためです。

室内犬と一緒に生活する場合、とくに小さなお子さまがいる場合は、寄生虫の感染のリスクもありますので、注意が必要ですね。



寄生虫館物語―可愛く奇妙な虫たちの暮らし (文春文庫PLUS)

 こちらの本、館長の寄生虫にたいする想いが、ハンパないです。
タイトルを
『大切なことは全部 寄生虫 から教わった』と変えてもらいたいくらいです。