2012年5月15日火曜日

『代替医療のトリック』 サイモン・シン&エツァート・エルンスト

代替医療解剖 (新潮文庫)
代替医療解剖 (新潮文庫)
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サイモン シン エツァート エルンスト
新潮社 (2013-08-28)
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代替医療を含む医療に長年携わってきた医療界内部の人間であるエツァート・エルンストと科学ジャーナリストで医療界外部の人間であるサイモン・シンが科学的(検証可能)な見地から代替医療に切り込んだ名著。


代替医療に対しては今まで

1 「そんなものは効かない」という医療界からの意見と
2 「まだ医療として認められていないだけで、医療としても効果はある」という代替医療界からの2つの意見

があるだけでした。(医療界からは、ほとんど無視状態ですので、おそらく対立はしていません。)

結局のところお互いの“意見”にとどまり、科学的な検証にいたる書物はほとんどありません。(代替医療側の「これで患者は治った」という非科学的な、つまり検証もほとんどされていないものはもちろんのぞきます。)

それで、実際のところはどうなのよ?というのが一般の人たち、医療にも代替医療にも利害関係のない人たちの気持ちでしょう。

はじめに、のところでヒポクラテスのことばが取り上げられています。

「科学と意見という、二つのものがある。

前者は知識を生み、後者は無知を生む。」


求められているものは、科学に基づいた真実です。
今までありそうでなかったその真実を、この本から得られることができます。

これは一般の人だけでなく、代替医療に携わる“プロ”も精読すべき本だと思います。反論があれば、最低限この本を一読し、そして、科学的にするべきです。