2012年5月24日木曜日

『あの「健康法」のウソ・ホント』 森田豊




ダイエット法や健康法と紹介されブームになったもの、また、まだ続いているものを、
森田豊氏が医師としての立場からわかりやすく概説しています。

今となっては懐かしい「にがり」や「爪もみ」、ブームの途上にある「耳つぼ押しダイエット」や「骨盤矯正ダイエット」などにも及んでいて、とてもおもしろく読めました。

医師だからといって100%言うことが正しいという訳ではありません。
しかし、素人考えに振り回される前に、(民間療法のほとんどの人は医師免許を持っていないと思われます)初めにこのような方の意見に耳を傾けるべきでしょう。



「情報が氾濫している現代において、正しい情報か、間違った情報か、どちらともいえないものなのかを検証していくことは、単に知識を整理してもらう意味だけでなく、正しく健康に導き、無駄な時間やお金を浪費することにもつながると考えます」(P3)

~基本的にこのスタンスを心がけることは大切ですよね。

「土踏まずには、内臓の重要なツボが集中していることは確かです」(P13)
~「ツボは確かにある」と言ってしまうのは医学的にはどうなのでしょう?

「よい睡眠を得るには、寝る直前に多少温度を上げてから、布団に入ってひんやりと温度を下げる、この温度差が大切なのです」(P14)

「新潟大学医学部…教授安保徹氏…」(P48)
~ただ名前が出てきただけで、森田氏が安保氏と関わりがあるわけではありません。なにかと話題(?)豊富な安保徹教授です。興味のある方は検索してみてください。

「納豆には、酵素であるナットウキナーゼという血栓を溶かす作用のある成分が入っていて、血液をサラサラにして…」(P50)
「爪が赤い場合は、血液がドロドロしている状態で…」(P101)

~血液のサラサラ・ドロドロは、医学的にはどうなのでしょう?トンデモ
の類だと記憶していたのですが…

「骨盤矯正ダイエットの有効性については、科学的にきちんと検証をして効果を認めた論文に乏しいのが現状です。」(P55)
~民間療法一般にいえることですが、“
科学的にきちんと検証をして効果を認めた論文”は皆無でしょう。(都合のよい)データはたくさんあります。
また、民間療法側からすれば、「無効性を認める論文がないということは無効でないということ。すなわち有効であることの証明である」というような悪魔の証明的なスタンスも見受けられます。

「急なダイエットをすると、体は今までよりも栄養が不足である状態に慣れてしまい、その少ないエネルギーで身体を保つようになります」(P65)

「つぼ押し自体が、全身の基礎代謝を上げるほどまでの効果があるとは考えにくいのです」(P69)

「風邪で熱が出たら身体を温めて直す?」(P81)
(※直すは原文ママ)
~風邪を引いたらなるべくからだを温めて(熱いくらいにして)、わざと熱を出して治していましたわたしです…
いや~、それって完全に間違いになったようですね。
『家庭の医学』でも、時代とともに「熱出し」→「体力温存+体を冷やして、脱水症状を防ぐ」に変わっていったようです。

「全米頭痛財団は「二日酔いの頭痛を解消する最も効果的な方法は、はちみつを摂ることである」とする研究報告を発表してます。」(P94)
全米頭痛財団、っていうのがあるんですね、へぇ~

「ストレスが溜まると、コルチゾールというホルモンが増加します。このホルモンは、体の危険を察知して脂肪を積極的に蓄えようとします。身体の中で脂肪の燃焼が減り、そのために太るというのが医学的な根拠です」(P158)

「食事により満腹感を感じるのは、胃がいっぱいになったという物理的刺激が伝わるのに加えて、栄養分の吸収による血糖値の上昇が脳の視床下部にある満腹中枢を刺激するためです」(P180)



最後に、著者が有効だと認めているダイエット法は…

それは実際に本を購入してからご確認ください。