NHK あさいち ぎっくり腰 の続きです。
次は慢性腰痛に関してのレポートでした。
今までの常識として、腰痛の原因の1つに椎間板ヘルニアが頻繁に挙げられていました。
腰部の椎間板が神経を圧迫し、そのため痛みやしびれが生じている、というのが常識というか、前提でした。
それを覆す実験をあさいちでは行っていて、とても興味深かったです。
その実験というのは
10人くらいの人に集まってもらい、それぞれの職業を書いたプラカードを持って立ってもらいます。
20代~60代の男女ばらばらの構成で、職業もそれぞれ違います。
そしてその人たちの腰部をレントゲン撮影し、ヘルニアの状態を調べました。
すると、10人くらいの人のうち2人がはっきりとしたヘルニアで、残りの人たちもほとんどヘルニアになりかけの腰になっており、まったく異常がないのは1人だけでした。
やはり、原因はヘルニアだったのか?…と思わせておいて
→「実はここにお集まりのみなさまは、腰痛に困っている人たちではありません」というものでした。
なかなかやりますねNHK。
腰痛の番組なので、「出てくる人たちは腰痛持ちである」というバイアスを利用したうまい演出でした。
演出はともかく、これが事実ならば、少し困ったことになりはしませんか?
(※ヘルニア=腰痛とは限らない、ということは以前から少なからず言われていました。ですから、わたしとしては驚きの新事実という訳ではありません)
巷で「ヘルニア治します」という看板を掲げている治療院・整体屋はどう反論するのでしょうか?
(※恥ずかしながら、自分も一時期そのような看板を出してました…)
今、腰痛における新常識は、「腰痛の8割はストレス」ということです。
痛みを感じるのは、腰ではなく頭、つまり脳です。
理学的には(腰に)異常がなくても、脳がストレスにさらされていると痛みをかんじるといわれています。
脳がストレスにさらされていると、脳の側坐核という部位の働きが悪くなります。
側坐核の働きが悪いと、痛みを抑制するオピオイドという鎮痛物質が出にくくなってしまうようです。
ストレスからくる腰痛(腰痛の80%)のためには、ストレス解消が何よりの治療になります。
好きなことをしたり、美味しいものを食べたり、楽しい会話をしたり…。
マッサージや整体なども気持ちよいものであれば、効果はあると思われます。
また、特殊かもしれませんが抗鬱薬も腰痛に効果があるとありました。
もちろん、少量ですし、医師の正しい診断が前提となります。
腰痛=ヘルニアでは必ずしもないですが、5%の確率でヘルニアからくる腰痛という結果になっていました。
症状に応じて手術をしなければいけないこともあるので、注意は必要です。
最新版!ぎっくり腰・慢性腰痛 http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/11/30/01.html