2013年8月9日金曜日

〇〇のような気がする

世界仰天ニュースというテレビ番組で、小さな宗教集団内で、6人もの死人を出したカリスマ主婦教祖みたいなのをやっていました。
※ホームページに、ちょうど説明書きがありましたので、引用させていただきます。

ザ!世界仰天ニュース
誰もがはまる恐怖…洗脳スペシャル2
http://www.ntv.co.jp/gyoten/yokoku/index.html




「ごく普通の民家から、何体ものミイラ化した遺体が見つかった…!

主犯は40代の女。女は、自分の手ほどきを受けると病気が治る、と信じて集まった複数の家族を自宅に住まわせていた。「神」のように崇められる高揚感に酔いしれる女。その女を心酔し、救いを求める人々。集団生活に問題はないように見えた。

しかし…ある若い男に出会ったことで、運命は大きく狂い始める…!女の手ほどきを受けようと、若いカップルが家を訪れた時…女はその若い男に一目ぼれをしてしまう。若い男をどうしても自分のものにしたい。

そう考えた女は…

「狐の霊が憑いている」と若い男の恋人を脅し、除霊と称した暴行を加え始めた。宗教行為に見せかけて周りの信者も暴行に加担させ…やがて歯止めが効かなくなると、ささいな事で言いがかりをつけ、ほかの信者にも暴行を加えるようになる。止まらない暴力の連鎖…しかし、なぜか誰も家から逃げ出さない…。

一体なぜ悲劇は起こってしまったのか。その極限の心理状態に迫る! 」


以上、画像も含め引用。


洗脳のメカニズムや ストックホルム症候群 などの心理作用も紹介されていて、なかなか見応えのある回でした。

わたしが注目したのは、この主犯の40代の女が、教祖となるきっかけです。
もともと、この女が入信した教団が、「手かざし」系の治療を行う集団だったようです。

手かざしとは文字通り、手をかざして、病気を治すというトンデモな治療法です。
詳しくは知らないのですが、手から「光」が出るので、「光」系の名前が付く宗教団体に多くみられる気がします。

この女が近所の知り合いに、この手かざしを実践したのが、どうやら教祖への始まりだったようです。
近所の女性が肩こりだというので、それではちょっとやってみましょうか、ということになり、女が手をかざします。そうすると近所の女性が

「あらやだ、肩こりがよくなったような気がする」

と言うのです。
ここがミソでしょうね。

この手のものは、「軽くなったような気がする」「あたたかくなったような気がする」「よくなったような気がする」という、「のような気がする」がほとんどです。

この微妙なところが、うまく心理面とまみえて、軽快感を出しているのかもしれません。
心理面というのは、せっかくやってもらったのに、「全然効果ないです…」と言うのは、相手に対して申し訳ないという気持ちがあるでしょうから、言葉を濁して「よくなったような気がする」と言う方が、ウソでもホントでもないので、使い勝手のよい言葉の選択なのです。
とくに女性の場合、協和性を重視しますので、ウソでもホントでもない言葉で、お茶を濁すことはよくあることなのではないのでしょうか。

「のような気がする」というのは、客観的事実ではなく、主観的な意思です。ですから、その人がそう言うなら、それが正解だということになります。
しかし、その人が言うからといって、それが正しいとは限りません。
この辺が、民間療法の危うさであり、難しさでもありますね。

よほどのことでもないかぎり、この手の「のような気がする」系の民間療法には、さわらない方が無難ということでしょうね。


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