2013年12月27日金曜日

側坐核のマジック

私たちは、「買い物」と「前向きな感情」とを結びつけて考えがちです。そして、新しい物を購入すれば幸せになれると考えます。そこには、はっきりとした相関関係があります。

米科学雑誌『Neuron』に掲載された論文では、物の購入を考えている時、脳で何が起きているかに注目しています。被験者に対し、製品の画像を一瞬だけ見せたところ、被験者がそれを気に入った場合は、脳の側坐核という領域が反応しました。脳の快楽中枢と言うべきこの部位は、欲しい物を手に入れることを考えただけでフル回転を始め、脳をドーパミンで満たすのです。

この件でもっとも奇妙な点は、何かを買うことを考えただけなのに、実際にそれを購入したのとほぼ同じ状態になったことです。米誌『The Atlantic』はこの点について、次のように説明しています。

「物質主義的な人は、何かを手に入れようと考えるだけで、短期的に幸福感が高まります。そういう人たちは、いつも何かを手に入れようと考えているので、それによって頻繁に気分が高揚している可能性もあります」と、ミズーリ大学のMarsha L. Richins教授は書いています。

「けれども、何かを手に入れようという考えに伴うポジティブな感情は、短時間で終わってしまいます。実際に購入した後でもポジティブな感情は味わえますが、購入前に感じていたほど強くはありません」

物を買っても幸せになれないのに、なぜ物が欲しくなるのか? より


>脳の側坐核という領域が反応しました。

「側坐核」という用語は、以前、このブログでも取り上げました。

【脳がストレスにさらされていると、脳の側坐核という部位の働きが悪くなります。
側坐核の働きが悪いと、痛みを抑制するオピオイドという鎮痛物質が出にくくなってしまうようです。】
※ NHK あさいち ぎっくり腰 2


ストレスと腰痛に関して、「側坐核」及び、「オピオイド(鎮痛物質)」が、どうやら関連しているらしいことはわかっているようです。

上の買い物と関連づけるのは無理がありそうですが、もしかしたら、肩こりや腰痛の治療の一環として、買い物というストレス発散方法を利用できるかもしれません…いや、やっぱり無理があるなf^_^;

でも、上の“買い物側坐核マジック”は、気持ちよい整体ならば、少しは応用が効きそうですね。

「次の整体はいつかな~楽しみだな~」という心理状態にお客さまをなるようにすれば、買い物のそれと同じような「ドーパミン」現象は期待できるかもしれません。