2013年12月2日月曜日

『腰痛は医者の言葉を信じるな!』 伊東信久


タイトルが随分とセンセーショナルだったので、いちおう新聞の切り抜きをしてチェックしておいたものの、どうせどこかしらの“整体屋さん”の自論だろうと、忘れかけていましたら、こちらの本を紹介しているサイトがありました。

【「慢性的な腰痛が完治した」という話はあまり聞かない。なぜなのか…。

そんな疑問に明解に答えるのが、「腰痛は医者の言葉を信じるな!」(伊東信久著、ワニブックス)。
著者は大阪で「伊東くりにっく」という診療所を開設する整形外科医であり、日本維新の会に所属する衆議院議員でもある。

著者は、多くの腰痛患者が、長期間の治療を受けながらも症状を消すことができないでいる理由を一言で説明する。

「(治療期間が)長くかかれば、それだけ利益につながるから」

しかも、医療側にはそれを患者に納得させる“都合のいいセリフ”、「長く付き合っていきましょう」も用意されているという。
確かに誰もが耳にした覚えのあるセリフだし、これを聞くと「仕方ないな」と思ってしまうのも事実だ。

しかし著者はいう。

「そんな言葉を信じるな!」

と。

本書では、著者が勧める腰痛対策が多数紹介されているが、中でも椎間板ヘルニアに対する最も効果的な治療法として、レーザー手術の重要性を強調する。

それは「PLDD(経皮的椎間板髄核減圧術)」と呼ばれる治療法。
椎間板ヘルニアは、髄核の組織が膨張することで近くを走る神経を圧迫して起きる痛み。
そこでこの髄核の組織をレーザーで蒸散させ、神経への圧迫をなくすことで痛みを消すというという考えだ。

局所麻酔で治療に要する時間は、わずか15分ほど。
入院の必要もなく、翌日から、ほぼ通常通りの生活が送れるという。

全身麻酔下で行われる従来の切開手術と比べると、患者の受ける日常の制限は大幅に低減する。
忙しいサラリーマンには有り難い話だが、唯一の欠点は高額な治療費。
健康保険の適用外なので全額が自費診療となり、その額は30万-80万円ほど。


「それでも1カ月近くも仕事を休むことと比べれば、費用対効果は低くない。そもそも“年のせい”などといって、事実上、放置しているような無責任な医者に義理を尽くす理由もありません」と著者は言う。


確かに、このままでは腰痛難民は増えるばかり。
患者の苦労はもちろんだが、ただでさえ逼迫(ひっぱく)する国民医療費を圧迫していることにも目を向ける必要はあるだろう。

「腰痛治療の無限ループにハマってしまった人に、ぜひ手に取ってほしい。医者の都合に振り回されない、賢い患者になってください」とは、編集担当のワニブックス・飯島真梨さん。】


う~ん、どうでしょうf^_^;

まずこちらの先生の主張をまとめてみますと、

「腰痛の主な原因は物理的なものにある、ゆえに、レーザーでその物理的要因を切って(※というか溶かして)しまえば、腰痛は治る」

ということです。

これは整形外科業界でさんざん議論され、「物理的要因が必ずしも腰痛の原因になっているとは限らない」と結論が出ていると思うのですが…。

つまり、今、腰痛の主な原因はストレスであり、それに対処しましょう、というのが本流だとわたしなりに解釈しています。
整形外科学会の公式見解 腰痛とストレスの関連性

もちろん、伊東信久先生が、上の整形外科学会の公式見解に異を唱えるのは構わないでしょう。
しかし、このような公式見解があることは、きちんと前提とすべきかと思います。


>(治療期間が)長くかかれば、それだけ利益につながるから
>そもそも“年のせい”などといって、事実上、放置しているような無責任な医者に義理を尽くす理由もありません

これって矛盾している気がするのですが…。
年のせい、つまり、目が見えづらくなる、耳が聞こえづらくなる、歯が抜け落ちるなどと同じように、腰も経年劣化を経て、痛くなりがちになるという一種の老化現象のため、上手くつき合ってくださいということで、治療のしようがないことを示しているようにわたしには思えます。

治療のしようがないものを、「長くかかれば」も何もなく、老化現象とわかって医者に行っているのは、むしろ患者側に非があるのでは?と思ってしまいます。

もちろん、その(患者側の)非をもって

>国民医療費を圧迫している

という主張ならば、大いに賛同するところのものであります。

なにか全体的に、理論をねじまげて、結局、「腰痛はレーザー治療で治しましょう」と誘導しているだけのような気がします…。


というか、「腰痛は医者の言葉を信じるな!」って、一種の パラドックス ですよねf^_^;

一般の整形外科医も伊東先生も、ともに医者です。ということは伊東先生の言葉も信じるな!とうことになってしまいます…。

一番信用できるのは、整体師ということですかね???





※もちろん、ヘルニアが原因となっている腰痛もあります。
その際には、上記のようなレーザー治療は、患者さんの身体的負担が軽く、素晴らしい治療法でしょうね。