2013年9月6日金曜日

クイックマッサージは、違法な無資格マッサージ?

「マッサージ」とは何か
グレーゾーンは消えないままだ
http://globe.asahi.com/feature/090803/02_3.html


クイックマッサージやリフレクソロジーは、誕生の当初から難題を抱えている。

従来のマッサージ業界から「違法な無資格マッサージではないか」との指摘が消えないのだ。
これに対しクイックマッサージなどの業界側は「私たちの行為は心を癒やすもの。健康を回復するためのマッサージとは違う」と反論している。

法律では、あん摩、マッサージ、指圧を仕事にできるのは、あん摩マッサージ指圧師か医師の資格を持つ人だけ、と定めている。ところが、あん摩、マッサージ、指圧とはどういう行為か、記述がない。

監督官庁の厚生労働省は「もむ、さする、押すという行為は無数のやり方があり、基準を示すのは難しい」(医事課)。

その上で「人体に危険が及ぶ可能性があれば、行政としては指導しなければならない。何を危険とみなすかは、現場の保健所の職員が個別に判断する」という。

指導のよりどころは、60年の最高裁大法廷判決だ。
「高周波療法」の是非が争われた刑事裁判で、医業類似行為を罰するのは「人の健康に害を及ぼすおそれ」があるときに限ると、結論づけた。

だが、仕事を奪われつつある視覚障害者らのクイックマッサージなどに対する反発は収まらない。

IT(情報技術)の発達でパソコン入力作業など雇用の場が増えたとはいえ、今なお半数近くがあん摩マッサージ指圧師や鍼灸(しん・きゅう)師を仕事に選ぶ。不況で患者が減り、生活が立ち行かなくなる人も出てきている。

全日本鍼灸マッサージ師会など7団体は06年、36万人の署名を集めて有資格者の定義を明確にする法改正を求めた。同会は、有資格者を示すマークも独自に作り、無資格者との違いをアピールしている。

こうした現状に、「無資格者」の側も対応を余儀なくされている。
07年に大手を含む約20社が「リラクセーション業振興協会」を結成。

「『マッサージ』『治す』といった言葉を使わない」 「強く圧力をかける手技はしない」などの自主ルールをつくった。

ボディワーク社長も務める理事長の清水秀文(51)は「有資格者の嫌がることはしないで、共存を図っていく。国にも働きかけ、一つの産業として認めてもらえるようにしたい」と話している。
(内藤尚志)

以上転載

わたしも ファストマッサージは規制されるか? というようなブログを書いていますが、似たようなことを考えていたり、実際に行動されている団体もあるようですね。

法律上の問題点やそれゆえの不備などが、上の記事にうまくまとめられていますね。

まず、マッサージ行為は法律で禁止れているが、何がマッサージ行為なのかは、法律で定められていないという、法律上の不備があります。
これをもって、「無資格者は、法律上の抜け道を利用している」とおっしゃる有資格者がいるのも、まぁ、うなづけます。

>監督官庁の厚生労働省は「もむ、さする、押すという行為は無数のやり方があり、基準を示すのは難しい」(医事課)

これまでもそうだったように、今後ともそれをきちんと定めることは無理だということでしょうね。
となると、別の方向から迫ることになります。

>医業類似行為を罰するのは「人の健康に害を及ぼすおそれ」があるときに限ると、結論づけた

というように、ここが論拠となるわけです。
人を傷つけているならともかく、双方合意のもと、人に気持ちよい行為をしているのに、どうしてそれがとがめられなければいけないのか?という(屁)理屈のわけです。

ただ、現実問題として、

>仕事を奪われつつある視覚障害者らのクイックマッサージなどに対する反発は収まらない

これはあると思うのですよね。あん摩やマッサージは、社会的弱者のために用意された職業という一面もあったと思うのです。
でも、これは一種の既得権となっており、極端に言えば、“逆差別”でもあるので、とても難しい問題でしょうね。

ですから、ベターな案としては、

>同会は、有資格者を示すマークも独自に作り、無資格者との違いをアピールしている。

こういうのが、いいんじゃないんですかね?
今は、 法律によりマッサージの広告 が出せません。それを例外的に、障害者の方に限ってゆるめるというようなことをして、社会的弱者の人にはそれなりのアドバンテージを設けるのもベターな施策だと思います。

マッサージも医療行為だから云々…という論では、この大きな問題はなかなか前に進まないと思います。


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